メルマガ:ドラッカーの企業家精神とイノベーション

ドラッカーの目でものごとを観察する習慣をつけると時系列的因果関係が俯瞰的に見えます。マネジメントはトップの役割だけではなくひとり一人の生き方や組織・社会とのかかわり方が分かります。「現場もマネジメントの一角」という強いメッセージに現われています。

 

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「アイデアによるイノベーションに必要な資質は行動力・野心・創意」

「イノベーションと企業家精神」(P.F.ドラッカー、ダイヤモンド社)」より

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■アイデアによるイノベーションとは

ジッパー、ボールペン、バーコード、

間歇ワイパーなど科学的発見や発明とは違い

数は圧倒的に多い。

 

アイデアに基づく特許は数が多いが

開発費や特許関連費に見合うだけ稼いでいるものは

100に一つもないとドラッカーは言う。

 

多くの似たような発明や特許があっても

成功や失敗は事後にしかわからない。

 

 

■成功するまで続ける。

 

「何回でも試す。そのうち成功する」というが

続けていればやがて成功するという考えは

ラスベガスのスロットマシンで儲けるには

レバーを引き続ければよいというのに似ている。

 

ただ一つのアイデアで成功した人もいるが

40の特許を持ちながら一つも成功していない人もいる。

 

ジッパーを発明した者はボタンやホックでは不都合と考えた。

 

パソコンやスマホを発明したステイーブ・ジョブスは

IBMなどの大手のコンピュータでは不都合と考えた。

 

アイデアで成功した人は自分の技術に不都合を考えない

技術の専門家ではなく人々が認識していない素人であるケースは

多い。

 

■ラスベガスのスロットマシンは統計確率論に従うので

最適な戦略はつぎ込む掛け金の制約を決めることぐらいである。

 

意外にもドラッカーは企業家としての騎士道精神を

ないがしろにしてはならないという。

 

日本なら武士道精神がイノベーションにおいて

無視してはならない。

 

成功確率は低くても新事業、雇用増、経済活動の

大きな源泉になる。

 

私的な欲望ではなく社会的に意義をもって

勝つか負けるか分からないことに挑戦する。

 

 

■私も特許取得に至るアイデアを持っているが

事業として成功するかどうか分からない。

 

だが自分だけは少なくて社会的に地球環境改善のために

意義あると信じている。

 

必要な資質は行動力・野心・創意であるという

ドラッカーの考えに大いに納得している。

 

武士道精神かどうか分からないが

武士道が自己犠牲を厭わず公(君主制における主君ではなく社会)と考えれば

武士道精神でイノベーションに自分を賭けている。

 

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「イノベーションはトップの座を狙わなければならない」

「イノベーションと企業家精神」(P.F.ドラッカー、ダイヤモンド社)」より

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■医療の世界では祈祷や宗教的奇跡によって不治の患者が

突然治ることもある。

 

科学的でないと片付けることは出来ないが

多くの場合は患者は死ぬ。

 

ビジネスも天才や神様が現れて

イノベーションを成功させるかもしれない。

 

しかし多くの場合途中で失敗する。

 

天才や神様の方法は教えることも出来なければ

学ぶこともできない。

 

 

■イノベーションの方法は

目的意識をもって体系的な思考と分析によって

「なすべきこと」「なすべきでないこと」は何かを決めて

廃止したり実行したりすることである。

 

機会を分析し知覚的に観察して問いを発し

耳を傾け数字を見るとともに人を見る。

 

右脳と左脳と前頭葉を駆使することが必要である。

 

そして焦点がボケないように集中し、

具体的な行動をとらなければならない。

 

 

■大がかりな構想と突拍子もない計画ではなく

限定された市場を対象として小さくスタートする一方で

最高のもの(トップ)を狙わなければならない。

 

大事業を狙う必要はないが、

最初からトップの座を狙わない限り

イノベーションとはなり得ず自立した事業ともなり得ない。

 

企業家として戦略は何かを考えるとき

自分のコアコンピタンスにおいて

最高のものを狙うことにおいて

全力を出すことができるのだ。

 

■ドラッカーはマネジメントを体系化し発明した

イノベーターであった。

 

既存の理論を体系的に分析し

組織論や会計学や情報システム論など部分的ではなく

人間の心を含む包括的なマネジメント体系を

作り上げた。

 

最初からトップを狙っていた。

 

社会学や経済学や政治論や小説家も狙った節があるが

マネジメントに絞って集中したことで

ドラッカーをして後世に残るイノベーターとなった。

 

 

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「イノベーションにはコア(核)が必要である」

「イノベーションと企業家精神」(P.F.ドラッカー、ダイヤモンド社)」より

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■イノベーションにおいてドラッカーは「3つのべからず」

(してはならないこと)を指摘しています。

 

・凝り過ぎない

・多角化しない

・先を見過ぎない

 

つまり、

・顧客は普通の人であり分かり易くなくてはならない。

 

・人は一度に多くのことは出来ないので

エネルギーが集中できなければならない。

 

・現在のニーズに答えなければならない。

 

 

■マーケティング専門コンサルタントも

大体同じアドバイスします。

 

顧客は自分のために買うのであって

あなたの自己満足のために買わない。

 

二兎追う者は一兎も得ずとか三日坊主とか

人の散漫さを戒めています。

 

未来の夢より現実の糧を得よ。

良き計画より実践を。

など現実的イノベーションを説いています。

 

 

■一方で

とことん本物を追求せよ。妥協するな。

 

宮本武蔵や大谷翔平の二刀流の成功。

 

ビッグビジョンが成功の基である。

 

ドラッカーの「べからず集」は

画期的イノベーションとは矛盾するのか。

 

 

■どのように考えたら良いのでしょうか?

 

一方方向での正解はない。

 

表があれば裏もある。

 

陽があれば陰もある。

 

アクセルもブレーキも無ければ自動車は運転できない。

 

表も裏も陽も陰もブレーキもアクセルも

必ず中心軸があります。

 

要は

中心であるコア(核)から離れたイノベーションは

成功しないと考える必要がありそうです。

 

 

核とは技術の知識とは限らない。

 

市場についての知識が技術の知識よりも

イノベーションの核となる。