ものづくりのスマート化例・トヨタ生産システム(TPS)とは?工場へのIOT導入も

ものづくりのスマート化はものの流れを如何にスムーズにするか、どこに滞留の原因があるか明らかにすることから始めましょう。

滞留を無くすということは、機械の配置を再設計して流れを早くしなければなりません。

個々の機械の効率を上げると全体の流れのスピードが落ち、と全体の流れのスピードを上げると個々の機械の効率が落ちるという相互矛盾脱するためにも作業の再配置が必要です。

こちらでは、トヨタ生産システムで見る、ものづくりのスマート化例をご紹介します。

 

ものづくりのスマート化例:トヨタ生産システム(TPS)の根底にあるドラッカーの考え

タブレットを操作するスーツの人

ものづくりのスマート化をするためには、機械などの設備の効率より人間の作業効率を上げるため人を中心に機械を配置すべきと言うのがドラッカーの考えでもありTPSの考え方であり、改善課題でもあります。

優れた生産組織にするためには、工場の設備も機械を中心にして配置するのではなく、仕事を中心に機械を配置することが大切です。

機械の配置場所を考え、原材料や資材の運搬に時間がかからないようにすることが、ものづくりのスマート化へとつながります。

一般化すると仕事の方をスキル(技術)に合わせるのではなく、スキルの方を仕事に合わせることと言えます。

情報や仕事の準備は原材料など探したり運搬することと同じく業務の繋ぎであるロジステックに時間がかかります。時間短縮が流れ速度を早くするので、流れを作りためにロジステックの最適化を念頭に置きましょう。

ものづくりのスマート化例:トヨタ生産システム(TPS)があぶりだした「ムダ」とは?

右肩上がりの棒・線グラフを指す手

工場でものづくりをスマート化したいなら、いかに成果の上がる仕事ができるかに重点を置く必要があります。

局部の効率を上げると逆に部門間の繋ぎにムダが生じることにも注意が必要です。

効率をコントロールすることでスピードが落ち、スピードが上がった場合は逆に効率が下がることから、効率とスピードは二律背反の関係にあります。

効率はあくまで部分的な指標とされ、それだけでは生産性は上がりません。

また、人や設備の過剰を削減するとコストは減りますが在庫が過剰になる危険性があります。人や設備にやや余裕能力を持つことで在庫を減らし、流れが良くなることもあります。

そのため「在庫と設備は同じ資産である」「稼動率よりも可動率が大切」「余剰能力による先行投資」なども考える必要があります。

ものづくりをスマートにしたいなら「動作のムダ」「加工のムダ」「作りすぎのムダ」「手持ちのムダ」「運搬のムダ」「不良品を作るムダ」「在庫のムダ」の7つのムダの関係や本質を考慮に入れるべきです。

ものづくりのスマート化例:ドラッカーの思考に基づくTPSのメカニズム

ものづくりのスマート化を図るなら、TPSの5つのSの本質の理解が必要です。

5つのSとは「整理、整頓、清潔、清掃、躾」を表します。

5つのSをルーチン化することがスマート化であり小ロット多頻度化のものづくりの流れを作ることを可能とすることができます。

これらのTPSの本質を理解した上でツールとしてのIOT導入が流れを作ります。

ツール導入の前に、現場現実現物の観察の上で流れを作るシステムコンセプトを考え実証しなければなりません。

工場へのIOT導入もものづくりをスマート化するポイント

工場でものづくりのスマート化を行うためには、現場現実現物を観察分析しTPSの7つのムダを排除するする視点でシステムを設計することが大切です。

ムダを無くすためには、作業の再配置が必要があります。

効率とスピードは二律関係の間柄にあり、どちらかを立てればもう一方が立たなくなってしまいます。

だからこそ、スマート化を行うためには、機械の配置を人間が最小限の動きで使えるようにすべきです。

5つのSを参考に作業を標配置し、ムダな動きを極力無くすことがものづくりのスマート化に必要と言えるでしょう。

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