コンサルテイング事例紹介

こちらでは当社が今までに手がけた事例をご紹介いたします。

過去数十社のコンサルを手がけましたが、業種に関わらず、在庫に焦点を当てて全体を分析して問題構造を明らかにすること、そのためにどんなシステムが利益体質を改善するか明らかになります。又クラントとは守秘義務契約を結んでいるために社名は伏せ、課題別に何社かの共通項でまとめました。

生産革新プロジェクト支援

大手自動車部品メーカー

何社かの自動車部品メーカー(ガラス、焼結部品、ポリマー、タイヤ…)の生産革新プロジェクト支援しました。又大手自動車メーカーの国内外のパーツサプライの改革プロジェクトの支援もしました。

プロジェクトリーダーは工場の生産管理課長や本社のIT部門の幹部で全社的生産革新を率いている時、今岡の講演や著作がきっかけとなって問い合わせ頂きました。

最初は社内プロジェクトメンバーに利益体質改善の方法論であるサプライチェーンマネジメントのセミナーを行いました。プロジェクト会議では工場側だけではなく本社の生産管理部、物流、営業、経理、IT部門も加わり現状の問題の洗い出しから始めました。

皆さんの発言を聞いて会議資料を精査、原価だけではなく在庫や出荷売り上げの会計資料から収益構造、在庫と収益の相関分析して会議で報告し、外部の俯瞰的視点での問題構造を提起しました。

IEの教科書的管理方式に慣れている人にとって予想外の結果に戸惑う人もいましたが、本質を理解する人は組織の上下とは関係なくものづくり革新を推進するのが日本的だと思います。

市場拡大戦略支援

飲料メーカーの需給管理

国内数社、中国の飲料メーカーから人脈経由で在庫削減・欠品防止を課題とするコンサルティングの依頼を受けました。

工場、物流倉庫、卸、小売りまでのそれぞれをプロフィットセンターが連鎖しているとしてそれぞれの収益構造、在庫変動を分析し課題を抽出しました。

飲料メーカーは多くのSKU(中身だけではなく容量や梱包保管の違い)があり売れ筋の定番品から需要が読めない新製品、そこそこ売れているが低迷している商品など混在しています。

全体の本社の経営者が見る損益計算書では在庫回転は悪くなくても、重要度(ABC)分析してそれぞれのクラスの拠点別のPSI(供給・在庫・需要)分析してみるとAクラスは需要と供給は連動(シンクロ)しているがB,Cクラスは過剰在庫と欠品が多発していることが分かりました。

新製品の広告や販促活動と生産がかみ合っていないことが多いのが欠品の原因であることが明白にわかる分析結果が得られました。これが新製品が育たない理由の一つだと観ました。

ABCにグループ化して管理体制を変えること、品目(SKU)毎に小ロット多頻度の混載配送や工場の生産も月単位から半月や週単位の短いサイクルで回すことでどれだけ在庫が減り欠品が無くなるかのExcelを使ったシミュレーションで納得して頂きました。

生産物流計画の迅速な対応をするシステムの概念設計案も提示しました。

利益体質改善支援

電子部品メーカー

半導体やPCBなど品目が極めて多く、工程が100を超えており、上流へ戻り繰り返しなどがあり錯綜しています。

伝統的な原価管理や在庫管理理論ではしっかりと利益を確保することができません。コスト削減だけでは在庫を犠牲にすることがあり、確率統計理論で安全在庫を設定しても過剰在庫も欠品も減りません。

今岡の著作を読んで、どんな手法で解決できるかの相談がありました。まず実施したのは作業服を着て現場を作業指示書に従ってモノの流れに従って設備や人の動きを1週間かけて観察しました。まず感じたのはいたるところにモノが積みあがっていることでした。

ITシステムから出る管理資料だけではなく現場の作業シートなど分析して幾つかのパターンに分けて全ての滞留ポイントを含めてモノの動線を描いてみました。そして滞留時間を工程前に持つ在庫量を工程の処理速度で割って求めました。動線にそって滞留時間を合計するとすべての工程の処理時間の合計の100倍を超える生産リードタイム(工場通過時間)でした。

つまり生産リードタイムを構成するのは殆ど滞留時間だということです。

その根本原因は工程毎に出来高を増やしてコスト削減することを目標とする管理システムにあるということです。顧客満足は低価格より即納であることにパラダイムシフトすべきと提案しました。それにより利益体質が改善されました。

ERP導入の前に

化学品工場(香料、ポリマー)

 

大規模なERP投資を計画している化学品工場からIT戦略立案の相談がありました。IT戦略の前に利益体質向上のためにどんな問題があり、ITがどんな問題を解決するのか分析しましょうとコンサルテイングを提案しました。

大企業は原料から中間材を作る工場、中間材を合成して完成品を作り袋や缶などのコンテナに入れ完成品を大量に倉庫に積んでいます。全工場を見て回りタンクや素材置き場の配置を頭に入れ、その後データ使って入庫出庫、在庫量から品目別拠点別の在庫を滞留時間として把握しました。

その結果、需要(受注)の取り方と生産ロットの決め方に問題があることが分かりました。化学プラントは温度や圧力が高くスタートアップに時間がかかり洗浄や滅菌など段取り替え時間が数時間から数日かかることもあります。そのために段取り回数を節約してロットを大きくする傾向があります。

売れ筋ではない品目は一度作ると数年先の需要まで在庫で蓄えることになります。ERPによる需要予測による安全在庫で生産計画を決めても予測は外れるから過剰在庫は減りません。ERP含めてITはしょせん道具であり道具にあう問題ばかりではありません。マズローは「トンカチしかなければすべての問題は釘に見える」と言いましたがERPしかりです。

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