製造業でリードタイム短縮(生産から納品までの工程)をする理由とは?在庫時間の計算方法

製造業でリードタイム短縮を狙うことは、変動する需要に素早く対応するためです。滞留在庫を減らすことでリードタイム短縮につながります。

需要の変動に対して資材調達、加工、生産が追従しなければ工程間に資材在庫、中間仕掛在庫、製品在庫などいろいろな形態で在庫が溜まります。そしてリードタイムが長くなり、モノの流れが悪化し、人や設備のムダが生じ企業の収益悪化の原因となります。

自社の在庫時間を一度計算してみて、競争相手とベンチマーキングしてみませんか?リードタイム短縮を経営課題としてご検討ください。

こちらでは、リードタイム短縮が製造業にとって不可欠な理由と在庫時間の計算法などをご紹介します。

製造業のリードタイム短縮を推奨する理由とは?~生産から納品までの工程~

倉庫でタブレットを操作する人

製造業でリードタイム短縮をする理由は、需要が強いと素早く増産し、需要が弱いと素早く減産する即応ためです。リードタイム短縮には在庫削減が必要となります。

リードタイム短縮ができれば、生産から製造、納品までのオペレーションが頻繁に変更できます。

製品別に資材調達、加工、組み立て、出荷を需要変動にあわせる必要があります。リードタイム短縮することは在庫削減であり需要追従のオペレーションマネジメントを行うことであり、利益体質を作ることでもあります。

製造業の在庫には「材料在庫」「仕掛在庫」「製品在庫」の3種類があります。
一般的な製造業の工程をご紹介しますと、このような流れになります。

  1. 調達することで材料在庫が増え加工に投入することで材料在庫は減ります。
  2. 加工されることで材料在庫が減り仕掛在庫が増えます。
  3. 検査を含む完成品製造で仕掛在庫が減り製品在庫が増えます。
  4. 顧客に出荷(納品)されてようやく製品在庫は減ります。

3種類の在庫が全てリードタイムを構成します。工場内を改善すると仕掛在庫は減りますが、顧客の実需に追従していないと製品在庫が過剰になるか欠品になるか、又資材調達が生産に追従していないと材料在庫が過剰になるか資材不足で待ち時間が発生します。

材料調達でキャッシュが出て、製品納品でキャッシュが入るまでのキャッシュサイクルタイム=全在庫時間+付加価値時間であり、付加価値時間よりも在庫時間が殆どを占め、キャッシュサイクルタイムは在庫時間と見なすことができます。

製造業でリードタイム短縮をするということは、実需に供給を対応させて、在庫削減し顧客満足と自社満足の二律背反を解決することでもあります。

ISDI今岡システムダイナミックス研究所は、システムダイナミックスとして生産システムや経営システムを時間的ダイナミックス(運動力学)の考え方で認識します。

力学では力が加速度を生み、加速度が速度を生み、速度が変位を生むように、新製品が需要(加速度)を生み、需要が生産・出荷速度を生み、製品在庫は生産と出荷速度の差分の積分と見なします。

サプライチェーン全体を見ない局部最適化が速度の同期化を阻害し、在庫在庫(滞留時間)と欠品現象を生み、全体最適の指標として利益速度落とします。

リードタイム短縮が同期化を促進し利益体質を上げることがシステムダイナミックスのモデルでシミュレーションできます。

在庫時間の計算方法は?

文房具と細かい目盛りが書かれた書類

製造業での在庫時間の計算は、以下の計算方法を用います。

在庫時間(日)=ストック(円)/フロー(円/日)で計算されます。

年度決算書ベースを参考にした場合は、以下のような計算方法が使われることが多いです。

製品在庫日数=(期末製品在庫/売上原価)×365日
仕掛在庫日数=(期末仕掛在庫/製造原価)×365日
材料在庫日数=(期末材料在庫/材料投入)×365日
棚卸在庫日数=製品在庫日数+仕掛在庫日数+材料在庫日数

この計算式で業界別、同業界の競争相手別、企業内の事業別、工場別、製品別に算出して比較(ベンチマーキング)することで改善の分野が特定できます。

改善やイノベーションは先ず実態を知ることから始まります。どうすべきかの「答え」より何故かの「問い」が重要です。

製造業におけるリードタイム短縮の方法とは?~納品を短縮させたい方はISDI今岡システムダイナミックス研究所へ相談!~

製造業では、現場の改善によってリードタイムを短縮することが可能です。こちらでは、リードタイム短縮の方法をご紹介いたします。

タクトタイムを決める

製造リードタイムには、様々な無駄が発生します。「何時間以内に何個の製品を作る」というタクトタイムを正確に守ることで、決められた時間内に生産できる数量を把握できます。

待ち時間の解消

製造リードタイムが長期化する要因の一つは、待ち時間の発生にあります。また、設備が稼働できるまでの準備に必要な時間、作業後の後処理を行う時間など、待ち時間以外にも準備や後処理の時間が必要です。リードタイムの短縮には、「工程にかかる処理時間」、「工程の滞留時間」を短縮することが求められています。

検品を徹底する

不良品は、リードタイムの長期化を招きます。商品に不備がないか、検品を徹底することで生産ラインの停止を回避することが可能です。

生産管理システムの導入

リードタイムが長期化している工場は、生産計画が曖昧な傾向にあります。生産計画をしっかりと立てていれば、1日あたりの明確な生産量や人員のリソースの適切な判断ができます。生産管理システムを導入すれば、計画通りに生産ができているのかを確認できますし、生産計画立案のサポートもしてくれます。

納期短縮を実現させたい方は、ISDI今岡システムダイナミックス研究所にお問い合わせください。問題点を把握したうえで、最適なアドバイスをいたします。全国で製造業向けのコンサル・セミナー・経営相談を行っていますので、ぜひご参加ください。

リードタイム短縮は企業収益に繋がる

製造業でリードタイム短縮が推奨される理由は、在庫を極力持たないで欠品のリスクを無くすこと、すなわちサプライチェーンの同期化を図り企業収益を改善するためです。

資材調達、生産から納品に至るまでのサプライチェーンが長いほど、ストックポイントが多くなり滞留在庫は増え、企業の収益も上がらなくなります。

在庫時間の計算方法などを参考にして、自社の在庫時間はどれくらいか一度計算してベンチマーキングしてみましょう。それによって改善分野を特定でき短期に成果を上げることができるでしょう。

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リードタイム短縮で企業収益を改善したい製造業の方は「ISDI今岡システムダイナミックス研究所」
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