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ドラッカーと君子資本主義
2009年2月 4日 08:00
自宅から徒歩7分のところ、東高円寺に
蚕糸の森公園があります。
今朝久しぶりに公園を散策しました。
「冬の朝 殺風景な 公園を
一人で歩く さらに寂しく」
1年半前までの数年間の在宅介護の日々、この公園を
毎日二人で散歩していました。
病気が発覚して辛い日々でしたが、今から考えると
会話もできてしっかり歩ける楽しい時でした。
さて、
●今週のテーマ
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1.知識労働者にとってのマネジメント
2.何によって憶えられたいかと問え
3.マネジメントは戦略と行動だけではない
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1.知識労働者にとってのマネジメント
製造業の輸出立国経済モデルが
立ち行かなくなるかもしれない。
製造業であっても、
設計開発、品質保証、マーケティングなどの
知識労働者の生産性が重要な時代です。
経済学やテイラーの肉体労働者の生産性向上の課題よりも
何が社会のために必要か、という、
効率より効果が問われる時代になりました。
つまり、
知識労働者のマネジメントの課題が企業の生き残りに
つながる時代になりました。
■今日の経済危機の時代は
公的部門と民間部門の連鎖全体の資金の流れを
マネジメントしなければ困難な事態は解決しない
ことが理解され始めています。
財政破綻状態だと言われる
医療や介護行政も、
再び金融危機に直面している銀行、
それに小売業やサービス業、
ソフトウエア業界、
今日マネジメントが一層必要とされる分野ですね。
■さらに知識労働者のマネジメントの対象は
地球環境問題、次世代の教育問題、格差問題など
社会的イノベーションが必要とされる分野がたくさんあります。
公的サービス機関をマネジメントすることは
知識の生産性を上げることでもありますね。
■企業のマネジメントも一部門の効率を追求しても
物と金と情報が滞留して全体が悪化することがあるように
民間部門が利益を上げても公的部門のマネジメントが
悪ければ市民の幸せは訪れない。
今先進国で求められているのは
物質的生活水準を上げることより
社会の質を追及することではないでしょうか?
■これからの知識労働者にとってのマネジメントは
社会的価値と信条の実現を目的とすることにある。
ドラッカーがマネジメントに求めた一番の目的は
ここにある。
2.何によって憶えられたいかと問え
限られた人生をどう生きるか。
人類社会の歴史から見ると80年の人生など
一瞬でしかない。
ほとんどの現代人は
自分だけの経済的物質的欲望を満たすために、
80年の人生の大半を消費している。
■人間は組織の一部であり、
人間も組織も社会の一部であるとする
ドラッカーの社会生態学的観察によれば
人間が自分のためだけに人生を送ることは
そもそも人間の特質からして自然ではない。
人のために社会のために仕事をしてこそ、
人間は心の安心が得られる。
■人間は自分が生きている時だけではなく、
死んだ後の時間にも思いをはせる。
生きている空間、日常接している世界だけではなく、
ネットなど情報だけで接している世界で
人間同士がお互いに思いをはせる。
ドラッカーが
「何によって憶えられたいかと問え」と言ったのは、
一人ひとりの人間が成すべきことは
自分の限られた空間と時間を越えることだと
解釈できます。
■これと同じ考えが論語などに影響を受けた
佐藤一斎著「言志四録」に書いています。
「言志四録」は
明治維新の原動力となった吉田松陰、勝海舟、坂本龍馬、
西郷隆盛などにも影響を与えたそうです。
その主たるメッセージとは、
「天はなぜ自分をこの世に生み出したのか」
「天は自分に何をさせようとしているのか」
「自分の身は天から授かったものだから、必ず天職があるはずだ」
「天職を果たさなければ天罰を受ける」
「いまだに何のために生れてきたのか知らない者は
一角の人物にはなれない」
(命を知らざれば、もって君子たることなきなり)
ドラッカーの
仕事観「何によって憶えられたいかと問え」
に通じるものがありますね。
■君子とは自分のことだけではなく、
人のため、社会のために(天命のために)
仕事をする人間のことのようですね。
天命のために仕事をすることに
価値観と信条を置く。
「天命」など考えたことにない現代人の我々でも
じっくりとこの言葉を肝に入れると
なんと甘美な言葉か。
天命として使命を受ける。
使命とは「命を使う」こと。
自分の命を「何かのために使う」こと。
つまり、
ドラッカーのマネジメントは
「君子として仕事をする」ことかもしれません。
■決してカビが生えた思想ではなく、
21世紀に人類が生き延びるために不可欠な
原理だと思いませんか?
経済的動乱を乗り越えて
次の世は、
「君子資本主義」とでも
言うような社会が望まれる。
「君主資本主義」時代に役立つ「知」を
ドラッカーの言葉を使って深めて生きたい。
「武道の型」に相当する「マネジメントの型」
を創造していきたいと思っております。
3.マネジメントは戦略と行動だけではない
1月31日土曜日から1日日曜日にかけて
入院中の妻を、娘とともに、箱根に外泊させました。
「芦ノ湖畔 冬の富士山 背景に
妻の両手を 娘と携え」
娘が幼い時は、
娘の両手を私と妻で携えて歩いていたものですが
妻がアルツハンマー後期になると歩行が困難になって
妻が真ん中で両手を支えられる。
娘は自分が昔、真ん中にいて、
手をつないでもらったことよく憶えていました。
■「笑顔見せ 昔と変らぬ 家族旅行
そこにないのは 核となる母」
病院のケアも薬物管理も上手くやっていただいており、
お陰で
中核症状は進んでいるものの
精神的には安定して穏やかで笑顔を見せてくれます。
意味のない言葉のやり取りはしていても、
そこに家族の団欒は残っています。
ふと、思い出す。
家族の中核として皆から話を聞いて
時には叱り、時には慰める妻がいたことを。
無意識の内に、
今では失われた家族としての
価値観と信条があったのだと。
話は変るが、
■マネジメントも戦略と行動だけではいい成果をもたらさない。
多元社会で一人ひとりは家族の一員であり、
学校の一員であり、職場の一員であり、同窓会の一員であり
地域社会の一員でもありますね。
それぞれの組織に価値観と信条がある。
■ドラッカーは言っています。
戦略や技術だけではなく、
「価値観や信条」がないと組織は成果を上げられないと。
中国の学問の主流だった
朱子学が知識中心で実践がないと
王陽明は「知行合一」(知識は行動が一体となる必要がある)
を唱えました。
「言志四録」で佐藤一斉は
「知識」と「行動」に「思いが」
ないと君子にはなれないと
喝破しました。
「思い」とは
ドラッカーの「価値と信条」でしょうね。
そして価値と信条を心に決めて仕事をする
「君子資本主義」の時代がくるのではないでしょうか。
本日のテーマ「君子資本主義」
いかがでしたでしょうか?
本日もメルマガお読みくださって
ありがとうございます。
今岡善次郎
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株式会社ビジダイン
http://www.bizdyn.jp/
ドラッカー学会 会員
http://drucker-ws.org/
東京農工大大学院客員教授
http://www.tuat.ac.jp/~rmmot/about/prof/imaoka.html
http://www.tuat.ac.jp/~rmmot/schedule/syllabus_2008/204_08_supply_chain.pdf
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部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。
