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ドラッカー流社会的イノベーション

2008年12月31日 01:00

   『ドラッカー流社会的イノベーション』
2008年は1929年に匹敵する年として
覚えられることでしょう。

乱気流の時代に、

個人として、
組織人として、
社会人として

新しい年を迎えるにあたり、
多元社会に生きる人間として
ドラッカーの思想をヒントに
ぶれない生き方をしたいものです。

さて今年最後のテーマ、

●今週のテーマ
==================
1.テレビ出演「たけしのほんとうは怖い家庭の医学」
2.道具が機能しなくなった
3.起業家の思い込み
4.社会的イノベーションの必要性
5.ドラッカーと経済学
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1.テレビ出演「たけしのほんとうは怖い家庭の医学」

12月16日夜8時40分、
テレビ朝日「たけしのほんとうは怖い家庭の医学」
の放映直後から友人知人からの電話やメールたくさん
頂きました。

ありがとうございます。

・夫婦で見て自分達のことに置き換えて夫婦関係を考え直した

・映像を見てメルマガで言わんとしていることがよくわかった

・デリケートなことを公表する気持ちが分った

・生き様に感動した

・アルツハイマー初期の診断の難しさが良くわかった

・夫婦で寄り添って生きていくことの大切さがあらためて
分った。

などぼかしや偽名でなく実写と実名で出演し、
真実の姿を知って貰うことの意義を認めて頂いて
私も大変うれしいです。

再現ドラマは制作ディレクターとのインタビューを元に
構成していましたが、時間の制約で一部のケースのみでしたが
本筋において真実です。


■放送翌日の昨日、妻との面会に行きましたが、

病棟や構内を歩いていると

見知らぬ
入院患者のご家族や
ボランティアの合唱団の方から、声をかけて頂きました。

「昨夜テレビ見ましたよ。奥さん、料理上手なんですね。
いろんなことがお出来になったんですね。
回復をお祈りしています」

見知らぬ方からの心ある激励の言葉に

私は思わず声を詰まらせて

「ありがと・・・」としか言えない場面もありました。


■ドラッカーが言っているように、

社会は、本来良心ある人間の集まりなんですね。


2.道具が機能しなくなった


先週、公的機関の企業家精神について話しました。

金融危機が起している不況は勝ち組の代表、
グローバル企業のトヨタ、パナソニック、ソニー、
キャノンなどが赤字に陥り人員整理に入りつつある。

リーマンブラザーズの破綻から世界的経済の流れが
逆流し始めました。

需要が激減した市場で多くの人が職を失うか
収入が減る事態になりつつありますね。

公的機関でも民間企業でも、働く人も、
従来の事業に依存できなくなるかもしれない。

■公的機関でも民間企業でも組織はあくまで道具であるとの
事実認識に立脚しなければなりません。

売れていたものが売れなくなるということは
道具が機能しなくなった、とも言えます。

道具より大事なのは人、そうあなたです。

道具が機能しなくなったのならば
機能する道具に作り直すしかない。

あなたやあなたの仲間で起業して役立つ道具をつくる。

あるいは、どこかの機能している道具(組織)の
一部になる。

一度しかない人生に、自分を道具として、
社会の役に立つことを思いつく。

思い込みを持って起業してみる。

通常、思い通りに行かない。

■ドラッカーによると
起業(ベンチャー)が成功するのは多くの場合、

予想しなかった客が、
予想もしなかった製品やサービスを、
予想もしなかった目的のために買ってくれる
時である。

はい、
狙った客や
思い込んだ製品や
想定したニーズに合うことは稀であると、
言っている訳ですね。

そのときに必要のはこころのスタンスです。


3.起業家の思い込み


組織としての道具が機能しなくなった時は

道具を作り直さなければならないとの話をしました。

そして
起業には思いがけない成功や失敗があると。


■だから起業が成功するには
創業者が考えつかない事態に対処することが
重要になってくるわけですね。

成功する4つの原則は、

1.市場(顧客)に焦点を合わせること

2.資金計画をしっかり持っておくこと

3.創業者のみではなく、
マネジメントのチームを用意すること

4.創業者(発起人)が自ら役割、責任、位置付けに
ついて決断すること

■創業者は大抵の場合、思い込みが激しく、
視野が狭くなり、自分の世界しか見ない傾向がある。

その思い込みから市場の実態にあわせて
フィードバックの軌道修正をかけられるかどうか。

ドラッカーは
フィードバック軌道修正の成功事例をあげていますね。

★3Mのスコッチテープは工業用の接着テープとしては
失敗したが家庭や事務所向けに軌道修正して成功した。

★全身麻酔薬を開発した化学者が局部にしか効かない
ことに失望していたが、局部麻酔麻酔薬として
歯科医がそれを使い始めた。

★コンピュータは科学計算用に開発されたが、
企業経営に使えるように修正した
IBMが市場を支配した。

予期せぬ成功や失敗を例外として片付けないで機会と
しなければならない。

■起業家が失敗するのは、

製品やサービスが何であり、
何であるべきか、いかに買われ、
何のために使われるかについて

客よりも知っていると思い込むことである。

製品やサービスの意味を決めるのは客であって
生産者ではない。

アドバイザーでもない。

コンサルタントでもない。

一方で
■起業するには動機が必要ですよね。
そして動機とは思い込みです。

大事なのは思い込みを強く持って、しかも同時に
市場(顧客)に焦点を当てて
軌道修正することであると言えますね。

動機は社会のためであり、
常に自問自答する姿勢が大事ですね。


4.社会的イノベーションの必要性


日本も欧米も、
中央政府も地方政府も、
公的機関が財政難に陥っている中で発生した金融危機不況、

今後どうなるのか。

民間企業も公的機関も、
従来の経済規模が縮小していくことが予想される中、

従来の延長線ではない
新しいニーズ、機会を発掘して、
新しい挑戦が必要となっていますね。

■この急激な変化の時代にあって、変化を機会として
とらえなければ、
公的機関も民間企業も単なる邪魔者になる。

民間企業が邪魔者になる時は
倒産という自然淘汰がありますが、

もはや機能しなくなった事業やプロジェクトなど
放棄できずにいる公的機関は

1300年頃に社会的機能を失った
「中世の封建領主」と同じく、

社会的な寄生虫に似た存在となって
存在の正当性を失い、
自己満足的な存在となっていく。

ドラッカーの表現、
■かなり厳しい言い方ですが、

公的機関だけでなく製造業でも金融機関でも

社会的寄生虫となって反映した企業が今、
悪戦苦戦していると言えます。

100年に一度の危機と言われ始めた現在、

100年前にイノベーションの行われた分野が
当時のままの組織と使命で
寄生虫化している言えるかもしれませんね。

■中産階級が膨張し

人間生活の価値とは関係なく、
資産価値を上げてバブル経済を作り

物的経済的豊かさを求め、
環境と食を汚染し、
健康を害する生活が
行き詰まったのではないでしょうか。

■これからの社会的イノベーションは

人間生活の価値を向上させる製品やサービスが
経済的動機づけと関連付けられることが必要でしょう。

社会的貢献は製品やサービスという形で販売され
売上が社会貢献度の指標になるような仕組みが望まれる。

価値観を変えるにはマーケティングや
キャッチコピーも大事でしょう。

■社会主義や資本主義が破綻して、格差が広がり、
中産階級が消滅する危機に直面しています。

破壊された資本主義を別な形で再生させる人材が
これから望まれます。

自律人材、人生も企業の設計もできる
ドラッカー流マネジメント人材
養成のニーズに答えるつもりです。



5.ドラッカーと経済学


読者から
「ドラッカーと経済学」をテーマとして取り上げて欲しい
とのレクエストがありました。

すこし長くて難しいかもしれませんが、
ドラッカーを引用しつつ私の解釈を話させてください。

ドラッカーは以下のようなことを言っていますね。
■経済活動はそれ自身が目的ではなく、
非経済的な目的、

すなわち人間的な目的や社会的な目的の
手段に過ぎない。

従って経済学を独立した科学と認めるには疑問がある。

仕事は人生を楽しく喜びを分かち合うための手段でしかない。

■20世紀の経済社会に大きな影響を与えた
マルクスもケインズも

モノやカネの流れでしか経済を
扱わなかった。

人間の本質を無視して経済学が科学として
体系化された。

■米国の自動車ビッグスリーの発展に貢献する
生産性革命に大きな貢献をしながらも、

仕事を要素に分け人間をお粗末な機械とした、
F.W.ティラーの科学的管理法が
人間的要因を見落として、

現場の人間にマネジメント能力を要求した
トヨタなど日本の自動車メーカー
の後塵を拝しました。

■同じように
マルクスの経済学もケインズの経済学も、
20世紀の経済膨張に大きく貢献しながらも

現在、社会主義と資本主義の破綻の元凶になっていると
言えないでしょうか。

■ドラッカーの社会生態学が参考にした「自然生態学」と、
近代科学の手法を用いる「生物学」との
違いは何か?

前者が、個体とその群れを
ありのままの生きた自然として観察し、
原理や法則を導くのに対して、

後者は個体として
解剖し腑分け(分析)、
標本にして分類して体系化する。

近代科学は
腑分けした要素を機械の部品のように総合して
社会を建設しようとする。

経済学が社会建設の原理となった。

それがマルクスであり、ケインズであった。

そして社会主義はベルリンの壁で崩壊し、
資本主義は資産バブルで崩壊したのではないか。

■ドラッカーは次のように
「デカルトの近代科学万能論」を批判しています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
デカルトは部分に分けて分析に重点を置いたが
設計する段階で多くの人間的要因を見落とす
近代科学の欠点をもたらした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■「カネとモノの流れが急減速してしまった」
「変化の早い時代にマネジメントはどう対処するのか」
との質問を受けました。

それに対して、

マネジメントはモノとカネの流れを促進するのが目的ではなく、

金融危機の後で必要になる社会的価値は何か?

自分達の持つ知識資源を新しい社会価値に変換する
イノベーションは何か?
と問うことがマネジメントの役割であると。

すなわち、

問題解決ではなく問題定義、
効率ではなく効果が求められている。

モノとカネの流れの物量で経済成長を測る時代から


これで質問への答えになっていると思われませんか?

そのようなマネジメントのための仕事の設計の原理を
まとめました。

■自問自答すること、公式に頼ることなく
自分で考えることが重要です。

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今日もメルマガお読みくださって
ありがとうございます。

それでは良いお年をお迎え下さい。

今岡善次郎

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ドラッカー学会 会員 
http://drucker-ws.org/
東京農工大大学院客員教授
http://www.tuat.ac.jp/~rmmot/about/prof/imaoka.html
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追記:

■ドラッカーは何度も読み返し、
脳神経に轍(わだち)を作らないと
理解した気分にならない奥の深さを持っている。

そこで、
ドラッカーの知の役割と位置付けをして
使いやすくする必要があると思い、

私、今岡善次郎は、脳神経の轍に従って
ドラッカーの原理をキーとなる概念
で15の原理に分類して教材を開発しました。


戦略(知)
→ 目標、全体、知識、代替案、因果関係、現場

精神(心)
→ 顧客、人間の特質、行動規範

構造(体)
→ 時間、フィードバック、少数精鋭、
つなぎ、統合、同期化



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部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。

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