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ドラッカー、目的とミッション

2008年11月26日 07:30

『ドラッカー、目的とミッション』


この一週間は
出雲
岡山
姫路
京都
仕事や旧友との再会など
旅の生活でした。

岡山から京都で1泊する予定が連休でホテルが取れず
姫路で1泊しました。

おかげで姫路城をじっくり見学できました。


●今週のテーマ
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1.コップ半分空か
2.知識がイノベーションを起すとき
3.ライト兄弟の飛行機
4.成果を上げる仕事の設計
5.京都でのドラッカー学会大会
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1.コップ半分空か

私の妻は自分で食事もトイレもできないが、
一緒に手をつないで散歩できます。

同じ病棟に入院している患者さんで歩行できず
車椅子でしか移動できないが自分で食事できる人もいます。

できることに注目するか、
できないことに注目するか。

コップに半分水が入っていると思うか、
半分しか入っていないと思うか。

人間の行動や生き方が変ると思います。

■欧米や日本などでは医学や食生活の進歩で平均年齢は
明らかに改善しているけど、
健康ノイローゼは増えている。


オバマが大統領選挙に勝ち、米国では人種問題は
ここ30年間くらいに改善していることは間違いないけど、

白人の間には黒人への拒否観は根強いという。

オバマはコップに半分入っていることを
アメリカの人々に認識させた。


■事実は一つでも認識を変えるだけで危機を機会にできる
とドラッカーは言います。

認識は正しいか正しくないかの問題ではなく、
人々が認識していることが事実なのです。

無人の森で木が倒れても認識する人がいなければ
事実は「音がしない」でしたね。

コップの半分をどう認識するかで、
危機を機会に変えるイノベーションができるかもしれませんね。


2.知識がイノベーションを起すとき

ドラッカーが1946年に書いた「企業とは何か」
54年に書いた「現代の経営」でマネジメントを
初めて集大成し、体系化しました。

人間の本質に関わる洞察と広範囲の知識が結合した
イノベーションと言えるものです。

■それ以前にも、それ以降にも
マネジメントの専門家と言われる人は欧米でも日本でも
沢山います。

しかし戦略論、生産論、組織論、人事論、販売論、IT経営論など
それぞれマネジメントの一つの局面に的を絞ったものです。

マネジメントは本来生態系の生き物のように
一つの局面で語ることはできないのです。

幅広い知識の結合が必要ですね。

医学が病気別に専門分化されて
「病気を治したが患者を死なせてしまう」
弊害が指摘されています。

マネジメントでも
「強力な組織を作ったが会社が倒産してしまう」
「最先端の情報技術を装備したが資金繰りで行き詰った」
「秀逸な戦略が出来たが誰も実行しなかった」
等々の
弊害もおなじことですね。

ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」から、
■知識がイノベーションを引き起こした事例を上げます。

コンピュータは次のそれぞれ関係にない
6つの知識の結合だった。
①数学理論の二進法
②パンチカード
③三極管
④記号論理学
⑤プログラムの概念
⑥フィードバックの概念(生物の応用)

ライトの飛行機はそれぞれ関係の無い2つの
知識の結合で成り立った。
①ガソリンエンジンの技術
②空気力学

銀行は2つの別々の機能知識を組合せることで
できた。
①ベンチャーキャピタルの機能
②商業銀行の機能

■それぞれ別々のものとしての知識は分っていても
それらが結合されてイノベーションを生むのはどんな
時か?

「外部から危機がやってきたときだけである」

とドラッカーは言っています。

生態系の生物は地球環境の激変の時、進化したのが
生き残った。

ことなる知識の結合は異なる遺伝子の組み合わせと
同じです。

■だから恐慌や戦争など経済社会的な危機のとき、
イノベーションが起ると。

米国から始まった金融危機が全世界の実体経済の
不況を引き起こしている。

金融危機は、
年金、医療、介護、環境、健康の分野にも
危機をもたらしている。

イノベーションのチャンスかもしれませんよ。

ドラッカーの社会生態学マネジメント
が見直される時ではないでしょうか?



3.ライト兄弟の飛行機


異なる知識の組み合わせは
異なる遺伝子の組み合わせによる進化だと話しました。

そして、
ライトの飛行機はそれぞれ関係の無い2つの知識

①ガソリンエンジンの技術
②空気力学

の結合で成り立った、
と話しましたね。

■ここでイノベーションを起す
仕事の設計の方法として興味深い話を紹介しましょう。

ライト兄弟は
目的意識の強い技術者だった。

一方、ライト兄弟よりインテリだった
サミュエル・ラングレーは科学者でライト兄弟より
科学者としてはるかに力量を持っていた。

当時、飛行機の発明はサミュエル・ラングレーによる
ものと世間は期待していた。

■ライト兄弟は知識の不足を
風洞実験を何回も繰り返すことで補った。

サミュエル・ラングレーは長い動力源として実績があった
蒸気機関にこだわったが、

ライト兄弟はすでに開発されていたガソリンエンジン
に注目した。

結果,飛行機の発明者としての名声はライト兄弟のもの
になった。

■仕事の設計という視点で見ると二人の違いは何か?

★専門知識よりも目的意識の強烈な方が良い仕事ができる。
スキルより仕事を優先した。

★目的に照らして自分が知っている知識に頼らないで
いかなる知識が必要か徹底的に考えた。

★現場現実を優先した。
知らない知識は実験で獲得した。

知や技術よりも目的が優先すること、
仕事の成果を上げる上で重要な教訓ですね。

人よりも知識があるから、人よりも頭が良いから
成功するという常識は通用しません。


4.成果を上げる仕事の設計

ドラッカー流のマネジメントは

社会貢献のために、
成果を上げる仕事の設計に役立ちます。

発明とか発見という技術革新と

ドラッカーのイノベーションのマネジメントはどう違うか?

事例を上げてみましょう。

■イギリスの科学者がペニシリンが発見したのは
すばらしい仕事でした。

しかし社会の役に立つためには
当時アメリカの小さな医薬品メーカー、ファイザーの培養技術の
生産システムの開発を待たねばなりませんでした。

■同じようにイギリスの会社デハビランドはジェット旅客機を構想し、
設計し、製造したのですが二つの要因と見落として
航空市場で顧客の役に立たなかった。

飛行距離と積載量についての設計、
融資の方法だった。

社会貢献までマネジメントしたのは
アメリカのボーイングとダグラスだった。

■エジソンは電球を初めて発明したと言われていますが、
本当に発明したのはイギリスの物理学者スワンだった。

エジソンは電球の発明だけではなく、

人々に光の恩恵を与えるために生産に必要な
ガラス球製造、真空技術、密閉方法を開発し、

また電力会社の仕組みや電球の流通までの

供給連鎖(サプライチェーン)も設計した。

■このような大きなイノベーションは事例として

皆さんと共有できますが、

どんな仕事でも同じですよ。

医療でも介護でも、家族会でも、行政でも、
企業でも、金融機関でも、

自己満足ではなく最終的に患者や市民という顧客に貢献する
ところまで仕事の仕組みを設計しない限り

カネや人の資源のムダ使いになる、
ということですね。

ドラッカーは
組織のマネジメントは自己満足ではなく、
組織の外側の社会のためにあるのだと言っています。

多くの非営利団体(NPO)でも自己満足で活動し
しっかりとミッションを持って社会貢献しているかが
問われなければならない。


5.京都でのドラッカー学会大会

11月23日、日曜日、京都にてドラッカー学会大会が
開催されました。

午前中は会員から、
3つの分科会に分かれて発表されました。

ドラッカー哲学が多方面に活かされていることが実感できる
熱のこもったプレゼンでした。

まさに私のメルマガで言っているように

宮大工職人の仕事観、製造業のマネジメント、

こどものいじめ問題撲滅、行政による社会改革など多岐に

渡るテーマでした。


■午後は「ミッションとNPO]をテーマにして
5人の講演。

★上田淳生代表はじめ、

★山崎製パンの飯島延浩社長、

★コンサルタントの国永秀男氏、

★種子田 穣 立命館大学教授

そして基調講演

★堀田 力 さわやか福祉財団理事長

どんな組織も目的としての社会貢献のミッションが
人々を鼓舞して人が人に貢献して幸せになり、
良き社会になるという共通テーマでした。

そして
私、今岡善次郎にとって大変うれしいことが二つありました。

■一つは「第2回論文・エッセイコンテスト」に応募した
本メルマガ執筆動機
「妻が気づかせた使命」が
佳作に選ばれたことです。

優秀賞に選ばれた長島基氏の
「ドラッカーは、意識を変え、行動を変え、人生を変える」

とともに壇上で表彰して頂きました。

長島氏のメッセージは私にも当てはまる真実です。

■もう一つはネット業界で知らぬものはいない、

30万人読者がいるメルマガ「平成進化論」の著者
鮒谷周史が、私が壇上の表彰式から降りたところで

私に声をかけてくれて、

なんと私のメルマガの読者であると打ち明けてくれた
ことです。


↓鮒谷氏の「平成進化論」
http://www.mag2.com/m/0000114948.html

は私も読者で、私がメルマガ発刊するに当たり秘かに
いろいろ勉強させて(パクラセテ)

いただいています。


■鮒谷氏もドラッカーを勉強しているとのことです。

ドラッカーはいろんな人脈を広げてくれます。

ドラッカーのいう脱資本主義時代、情報化時代は

どんな仕事でも知識の組み合わせで仕事も社会も
進化する。

人と人との出会いが進化を引き起こします。



■今週もメルマガ最後までお読み頂きありがとうございます。

今岡善次郎

追記:
これからもドラッカーの視点から日本の商人道
や東西の知など組み合わせて

新しい視点を用意して
皆様のお役に立ちたいと思っております。

あなたの友人や仕事仲間のメーリングリストで紹介し
無料メルマガ読者登録にご紹介頂けるとうれしいです。

ドラッカーの話が盛り上がりますよ。

http://archive.mag2.com/0000269052/index.html

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http://www.tuat.ac.jp/~rmmot/schedule/syllabus_2008/204_08_supply_chain.pdf
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