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社会生態系から見た風景
2008年11月12日 07:30
『ドラッカー、社会生態系から見た風景』
この前の、
寒い雨が降っている日曜の午後、
杉並区高井戸にある
浴風会の病院に行って妻と面会しました。
「壊れゆく 君との面会 辛いけど
会おうと思えば 会える幸せ」
認知症の妻を亡くしたある男性が
どんな状態でも生きていれば会えた時が懐かしい、
と言っていました。
分るような気がします。
●今週のテーマ
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1.マネジメントの役割
2.オバマのアメリカ
3.無人の森で木が倒れるとき
4.企業家精神とイノベーション
5.GMをアメリカ政府が救済する?
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1.マネジメントの役割
マネジメントと言ってもドラッカーの定義は
「現場もマネジメントの一角」
と言っているので
トップマネジメントから
中間管理職
現場管理者
現場で働く人
すべて入りますね。
■トップマネジメントでも現場で働く人でも
マネジメントの機能は共通しています。
★社会との位置付けを認識する(顧客、社会貢献)
★何をすべきか(目標)を考えて決定する
★誰にさせるか役割(組織、チーム)を決める
★成すべきことを決める(行動計画)
★動機づけする(コミユニケーション)
★変化に対して脅威ではなく、機会として考える
★目標に対して状況を把握しフィードバックする
★人を育成する
■企業の場合、
「買う」、「作る」、「運ぶ」、「売る」などの
現場の作業の効率化は入っていませんね。
いかにコスト削減するか?
いかに売上を伸ばすか?
「いかに行うか」の問いがマネジメントの問題であった時代から
「何を行うか」の問いが重要なマネジメントのテーマになっていますね。
■乱気流の時代、
マネジメントもいろいろな定義がありますが、
もっと安く、もっと速くするだけの
今までの延長では生き残れない時代に入りました。
根本的な問いの必要性をドラッカーは
ずっと前から説いていたわけですね。
2.オバマのアメリカ
米国の大統領選挙はオバマが圧勝しましたね。
チェンジ(変革)と融和(empathy)でアメリカ国民との
コミニケーションに成功しました。
明らかに今までとは違う大統領ですね。
グローバルスタンダードという米国一国主義、
価値観の世界への押し付けは
米国人も決別しようとしているのでしょう。
■ヨーロッパ各国はじめ、世界各国とも大変好意的に
受け止めていますね。
オバマは父がアフリカ人でインドネシアで育つという
従来の米国人エリート層とは違う。
ドラッカーのいう社会生態系から見た
多元社会にふさわしい大統領になるんじゃ
ないですかねえ。
■オバマの選挙活動には多くのボランテイアを惹きつけた。
演説も人々を鼓舞するような魅力があった。
男と女、黒人と白人、老いも若きも、
キリスト教もユダヤ教やイスラム教もすべて
同じ人間じゃないかと。
政府に頼らないでそれぞれが政府に、国民に何が
できるかと問おうと言った。
リンカーンやケネデイのアメリカの理想を引き継いでいる。
■西洋的一元論も感じない。
世界に対して押し付けをしない。
フランスやドイツやイギリス国民も総じてオバマびいきですね。
アメリカの選挙権がなくてもアメリカの大統領に誰がなるか
全世界が注目するほど世界はつながっているわけですね。
3.無人の森で木が倒れるとき
質問から入ります。
自然生態系の森の中。
「無人の森で木が倒れました。
その時、音はするでしょうか?」
・・・・
■ドラッカーの答えは
「音はしない」
なぜならば、
聞き手がいて初めてコミュニケーションは成り立つから。
コミュニケーションは知覚であると。
■「自分は科学的である」と思っている人は
人がいなくても録音して「音がする」ことを
実証できると言いたいでしょう。
理屈っぽいことを言わないで,
ここでは「音」とはコミニュケーションと考えればいいのです。
知覚する人がいなければコミュニケーションは
成り立たないのです。
■コミュニケーションは情報も必要としない。
論理無くして経験を共有することこそ完全なる
コミュニケーションである。
知覚は言葉による論理ではなく、
全人格的コミニュケーションであると。
■人は期待するモノだけを知覚するので通常は無視されるか
反発される。
私のメルマガもコミュニケーションの一つ。
同じ体験や知覚の経験者は大きく響き合えるように
思いますが、
相容れない人には反感や無視となるわけですね。
■(相手が知覚できなければ)
コミュニケーションは相手に
価値観・欲求・目的に沿った心の転向を要求する。
全面降伏を要求する。
通じ合わない相手とは、
無視か反感か、それとも全面降伏を強いるか。
私のメルマガも概ね賛同してもらっていますが、
価値観や生き方において、
無視や反感があったとしても妥協しないで真摯に
書いて行こうと思います。
■受け手の読者の皆さんと私の相互のコミュニケーションにおいて
お互いに自分の本来持っている価値観が
補強される場合もあれば、
考え方の転換をされる場合もあります。
それはそれで価値あるコミュニケーションですね。
4.企業家精神とイノベーション
■トヨタ自動車の70%に及ぶ減益予想でトヨタショックが
走りました。
ソニーもキャノンも外需で稼いでいた優良企業も、
不振であった内需ともども金融危機の影響と受けて
不況に陥ったようですね。
日本の平成不況は国内だけのもので欧米の経済は
しっかりしていた。
今は欧米も新興国も全世界が不況になろうとしている。
■80年前の大恐慌のときもそうでした。
経済的不況が戦争を引き起こしてその後の世界を一変させた。
アメリカでは多元社会を容認するオバマが
大統領選挙に勝利したが、
経済危機はどのように決着がつくか分りませんね。
■経済社会の混乱は乱気流に巻き込まれた飛行機のように
社会的な問題が多発する恐れがあります。
80年前の大恐慌からヒトラーが出て大混乱に陥った欧州で
若きドラッカーは考えました。
多元社会で様々な組織が社会の中で役割を持って
機能すれば良い社会になる。
マネジメントが社会を救うのだと。
■企業家精神をもってイノベーションすることが社会の生産性
を上げ、企業が社会貢献する道だと。
イノベーションとは何か?
通常いわれる技術革新のようなものばかりではない。
例えば教育のイノベーションは教師の教え方でも
教育者の能力でもなく、
教科書の発明だった。
■高額商品に
割賦販売が導入されて需要が膨らんだのも
イノベーションだった。
イノベーションは企業だけのものではなく、個人にも社会にもある。
■ドラッカーは
明治維新の開国以来の
日本のイノベーションに触れています。
現代でこそ日本発の技術的イノベーションは目立ちますが、
開国以来ずっと技術的にはモノマネの国と見られていましたね。
しかし日本がインドや中国のように植民地化されることなく、
日清戦争、日露戦争に勝って大国化した日本の
イノベーションを
ドラッカーはとても賞賛しています。
イノベーションのマネジメントに優れていたと。
■これからの日本、これからの世界は
難しい理論や政治ではなく、
成すことをなす
イノベーションのマネジメントが良い社会を創るのです。
企業が社会に貢献して利益を上げる。
人が人の役に立って幸せになる。
行政が市民に役に立って尊敬を勝ち取る。
そこにイノベーションがあれば不可能と思われることも
実現する。
そう思いませんか?
5.GMをアメリカ政府が救済する?
アメリカのビッグスリーが危機に瀕していますね。
アメリカの自動車産業の破綻は米国の産業の破綻と
言ってもいい。
日本でも同じですが先進国では自動車産業は雇用の
10%を占めている基幹産業ですね。
■アメリカの消費者が貯金しないで車を買ってくれたおかげで
日本車も売れました。
日本からの輸出で日本にカネが入っても日本人は
金を使わないから金利の高い米国にカネが戻っていった。
輸出で稼いだカネは日本で使われない。
低金利の日本のカネが米国の景気を支えていた。
しかし、このような
マッチポンプの経済が終わったのですかねえ。
米国政府が自動車産業の雇用のためにGMを支援すると言っても
まさか低所得者向けに自動車ローンを支援するなんてことは
しないでしょう。
■需要がないのに雇用を守るために操業度を上げれば
社会的資源をムダにするだけですね。
社会的に何も貢献しない企業を雇用のため
存続させることは良いことか否か?
■社会的責任(雇用確保)のために不経済なことをするのは
責任ある行動ではない。
ドラッカーの言葉です。
単に情緒的な行動に過ぎない。
逆に日本の輸出産業を守るために円安介入することや
欧米の消費を喚起するために日本のカネを使わせるために
低金利を維持すると今までと同じ問題の先送りですね。
すべて短期的な延命策で責任ある行動ではないと
思いませんか?
■トヨタ式経営は工程別の部分効率ではなく全体最適のマネジメント
を重視していますが、
グローバル経済から考えると一社のみ、一国のみの
経済的繁栄は経済と言う生態系から見ると
部分最適で全体が破綻する構造かもしれません。
生態系は生命の循環なんですね。
■今週もメルマガ最後までお読み頂きありがとうございます。
今岡善次郎
追記:
これからもドラッカーの視点から武士道、
トヨタ式経営など組み合わせて
新しい視点を用意して
皆様のお役に立ちたいと思っております。
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