金融危機乱気流への対処 - 今岡善次郎のマネジメント・メルマガ|人と幸せにするマネジメント革命|P.F・ドラッカーに学ぶ人生・起業・社会設計のすすめ|今岡善次郎のマネジメント・メルマガ

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金融危機乱気流への対処

2008年10月29日 07:30

人の内面を豊かにするマネジメント革命を説いたP・F・ドラッカー。
人生設計・企業設計・社会設計すべてに通じる共通する概念とは、
内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する場をつくるのが
マネジメントの目的であること。別名「愛」と言われるもの。


   『ドラッカー、金融危機による乱気流への対処』


今週はのテーマは
「どのように金融危機による乱気流へ対処するか」です。

株価がとうとうバブル後の最安値を更新しましたねえ。

清々しい秋晴れとは対照的に、
経済的には暗雲が垂れ込めてきましたよ。

こんな時には金銭的なことだけを考えていたら
夜も眠れません。

人間の本質にもとづいてどう生きるか、
どう仕事をするか考えなければなりませんね。

ドラッカーのマネジメントを基軸に
話しますが
日本の商人道でも昔から共通点があった。

新発見です。


●今週のテーマ
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1.機能の組織ときずなの共同体
2.医療にモノづくりの発想
3.日本の商人道
4.多元社会に突入
5.企業家精神と武士道精神
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1.機能の組織ときずなの共同体

組織と共同体(コミュ二テイ)について
話します。

会社や役所、病院、介護施設などそれぞれ
目的と役割(機能)を持つ組織です。

これに対して家族、町内会、同期会、仲良しクラブなど
共同体(コミュ二テイ)ですね。

以前、「人間関係は目的ではない」
と言ったのは組織の話で

共同体(コミュ二テイ)では「人間関係は目的」
であってもいいですね。

■組織を規定するものは人間関係でではなく、
機能ですね。

組織は明確な使命があるわけですから。

国家の経済対策において、

特定の業界や企業との人間関係が

本来の機能に優先されたら困りますね。

■ところが、
社会が真に機能するためには、
共同体(コミュ二テイ)のきずなは不可欠です。

家族のきずな、

介護施設での利用者と医療や介護スタッフの間に
きずながあって、

両方そろってこそ真に機能を
果たすことになりますね。

■ドラッカーはこう言っています。

社会的集団が求めるものと、
仕事の組織が衝突すると

犠牲になるのは仕事の方である。

最高の仕事の組織は
社会的組織とその一体性が仕事に直接貢献する
ようにすることである
、と。

■要は
仕事のチームの人間関係が良くなるのが最高の組織だと
言うわけです。

これには皆さん納得できるでしょう。

しかしここで大事なメッセージは

「仕事が人間関係がによって犠牲になる」

というメッセージではないでしょうか?

顧客のためではなく、
トップ経営者のために仕事をするようになると
仕事は犠牲になりますね。。

■「何が正しいかより誰が正しいか、
つまり仕事より人を問題にする組織は
堕落である」

社長や代表が「カラスは白い」と
言えば誰もが「カラスは白い」
となる会社は
堕落だというわけです。


2.医療にモノづくりの発想

医療や介護の世界では

費用の面だけではなく、
安全性も問題になっています。

先週22日朝の日経、
注目すべき記事紹介します。

■米国シアトルにある病院、
バージニア・メイソン・メデイカル・センター

トヨタ自動車の工場を見学して

病院経営に活かしているそうです。

muda(ムダ), kaizen(改善)の
日本語が飛び交っていると言う。


医師の権威よりも患者の安全を優先して
患者の危険を感じたら、
病院職員が治療を止める権限を与えた。

トヨタでは、工場の責任者ではなくても
現場で問題が発生したら
現場の作業員に生産ライン全体の動きを止める権限を与えている。


検査施設や備品の置く場所の配置(レイアウト)
を変えて全職員の歩く距離を短縮した。

看護士の患者に接する時間が増えた。

「ムダを削れば医療の質と安全は改善する」
(院長のゲーリー・カプラン)

■日本の病院でも医療事故の反省から日本のモノづくりなど
他業界から学んでいるところもあるようです。

人間の能力は計りしれないけれど、

工場でも、病院でも、運転でも、
ミスはつきもの。

行政批判や責任追及も必要かもしれないけど、
■それぞれの立場で
自発的な改善運動の仕組みが
社会を良くする。

「2年間で1万人の患者を救おう」
と立ち上がった医師たち。

■ドラッカーは
「イノベーションは違う業界の知から生れる時代になった」

と言っていますよ。

遺伝子工学は医薬品業界から生れていないが、医薬品開発に
欠かせない技術になった。

目的は何か、そのためにムダはないか、

他の業界や他の専門分野の「知」を
徹底的に応用する時代です。

トヨタでは「横展開」と言っていますね。

門外漢と言って他分野を寄せ付けないか、
積極的に学ぶか。

これから起りそうな乱気流の時代、
差が出るかもしれませんね。


3.日本の商人道


米国発の金融危機の原因は、

米国人事業家が好きな、

「グリード(強欲)」という
人間の一面が、

金融資本主義を膨張させたことに
にあった。

■私も米国企業に雇われて
仕事をしたことがありますが、

事業の成功のためにはgreedy(強欲)で
なければならない、
と言われて、
何か違和感を感じた経験があります。

職業倫理を消失した資本主義はこれから
変って行かざるを得ません。

■優れた日本企業が今でも大事にしている優れた理念、

「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」(近江商法)

自社の利益と、顧客の価値と、社会貢献と
3者が満足することが事業の基本である。

「先義後利」(大丸創業者、下村彦衛門)

先に社会への義務を果たしたあとで、自社の利益が生れる。

「真の商人はさきも立ち、われも立つことを思うなり」(石田梅岩)

真のビジネスマンは顧客が満足して自分も満足する。

「仁(他への思いやり)、義(人としての正しい心)、
礼(相手を敬う心)、「智(知恵)の4つの心を備えれば
信用を得て商売はますます繁盛する」(石田梅岩)

■日本の商人道は
ドラッカーの思想と同じだと思いませんか?
又は、
ドラッカーの思想は
日本の商人道と同じだと思いませんか?

仁義礼智は日本の武士道にも通じる価値観ですね。

■ドラッカーにはまって
武士道や江戸時代の商人道に目を開かされました。

ドラッカーは近代科学の知識や思想、哲学、宗教など
全体を知った上で人間社会を生態学的に観察して
洞察を得ています。

そこには洋の東西を問わない人間の本質がある。

■古臭い、封建的だ、と嫌悪されてきた価値観。

実は近代科学が捨てたのは
「人間は生態系の一部である」という謙虚さです。

金融危機が終焉を迎えた後にくる社会、世界に通じる
価値観、
ドラッカーにヒントがあるように思います。

皆さん、どう思いますか?



4.多元社会に突入


以前、
ドラッカーの多元社会を紹介しましたね。

曰く、

現代は、
近代の中央集権国家ができる以前の
中世の多元社会になりつつある。

それまでは
中央集権国家が進歩であり大義とされた。

全体主義共産主義は最後のあがきたっだ。

と。

■一方ソ連の崩壊後に急速に進んだ

米国発のグローバル経済市場主義。

パックス・アメリカーナ。

湾岸戦争の勝利で過信した

アメリカの一極主義。

■それが、今年の金融危機とグルジア戦争で
アメリカが壁にぶつかった。

ドラッカーが生きていたら、こういうでしょう。

全体主義・共産主義、それに
米国型金融資本主義の価値観の押し付けも
進歩主義の最後のあがきだったと。

■日本のバブルがはじけて

モタモタしている日本へ圧力をかけた。

米国の理論は、

規制緩和、時価会計などグローバルスタンダード

だった。

ところが米国の経済をマネジメントしていた
元FRB議長のグリーンスパンは
「間違っていた」
と誤った。

■日本は遅れていると煽っていた日本人エコノミスト

は誰も謝っていない。

そもそも遅れているという意味は米国基準に合っていない
ことの裏返しでしたね。

■日本人は、欧米の一神教とは違って
神も仏も、七福神もいる多神教の
多元社会で許しあえる社会がここち良い。

一神教になることを進歩だなんて多くの日本人は
考えない。

■ドラッカーの言葉は今を予言したように響きます。

もう一度引用しますね。

★資本主義でも社会主義でもなく、

カネやモノ中心でもなく、

人間中心の

知識が資源となる組織が
大きな役割を果たす社会にならざるを得ない。

★単一の専門化した無数の組織が機能して、

狭い範囲の使命・ビジョン・価値観を持って

成果を上げる社会。



5.企業家精神と武士道精神


ドラッカーの言う企業家精神とは
経営者だけの精神ではありませんね。

企業家精神とは個性でも知性でもなく
行動原理である」

「粘り強く働き自分を律し、原理を正しく適応する
意志である」

これらの文章の中で、
企業家精神の代わりに武士道精神を入れても
通じると思いませんか?

経営者ではなくても組織の中で一人ひとりが

仕事をする時の精神のよりどころになる考えが
企業家精神と言えますね。

企業家精神のなかで重要なメッセージがあります。

「変化を脅威ではなく機会とせよ」
です。


■いま、
金融危機による株価暴落、
外需縮小と円高、内需低迷など

経済的な大きな変化に見舞われようとしていますね。

危機を機会にする。

外需不振、円高等の変化は

今まで唯一好調だった輸出企業にとって大変なことになる。

■コスト削減など「どうするか」
より「何をするか」が重要な問いとなりますね。

例えば医療や介護、環境改善、マネジメント人材教育

などで人が人を助ける場をつくる

企業家精神が大切になってきますね。

■本日もメルマガ最後までお読み頂きありがとうございます。

今岡善次郎

追記:
これからもドラッカーの視点から武士道、

トヨタ式経営など組み合わせて

新しい視点を用意して
皆様のお役に立ちたいと思っております。

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