P.F・ドラッカーに学ぶ人生・起業・社会設計のすすめ|今岡善次郎のマネジメント・メルマガ

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金融危機乱気流への対処

2008年10月29日 07:30

人の内面を豊かにするマネジメント革命を説いたP・F・ドラッカー。
人生設計・企業設計・社会設計すべてに通じる共通する概念とは、
内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する場をつくるのが
マネジメントの目的であること。別名「愛」と言われるもの。


   『ドラッカー、金融危機による乱気流への対処』


今週はのテーマは
「どのように金融危機による乱気流へ対処するか」です。

株価がとうとうバブル後の最安値を更新しましたねえ。

清々しい秋晴れとは対照的に、
経済的には暗雲が垂れ込めてきましたよ。

こんな時には金銭的なことだけを考えていたら
夜も眠れません。

人間の本質にもとづいてどう生きるか、
どう仕事をするか考えなければなりませんね。

ドラッカーのマネジメントを基軸に
話しますが
日本の商人道でも昔から共通点があった。

新発見です。


●今週のテーマ
==================
1.機能の組織ときずなの共同体
2.医療にモノづくりの発想
3.日本の商人道
4.多元社会に突入
5.企業家精神と武士道精神
==================



1.機能の組織ときずなの共同体

組織と共同体(コミュ二テイ)について
話します。

会社や役所、病院、介護施設などそれぞれ
目的と役割(機能)を持つ組織です。

これに対して家族、町内会、同期会、仲良しクラブなど
共同体(コミュ二テイ)ですね。

以前、「人間関係は目的ではない」
と言ったのは組織の話で

共同体(コミュ二テイ)では「人間関係は目的」
であってもいいですね。

■組織を規定するものは人間関係でではなく、
機能ですね。

組織は明確な使命があるわけですから。

国家の経済対策において、

特定の業界や企業との人間関係が

本来の機能に優先されたら困りますね。

■ところが、
社会が真に機能するためには、
共同体(コミュ二テイ)のきずなは不可欠です。

家族のきずな、

介護施設での利用者と医療や介護スタッフの間に
きずながあって、

両方そろってこそ真に機能を
果たすことになりますね。

■ドラッカーはこう言っています。

社会的集団が求めるものと、
仕事の組織が衝突すると

犠牲になるのは仕事の方である。

最高の仕事の組織は
社会的組織とその一体性が仕事に直接貢献する
ようにすることである
、と。

■要は
仕事のチームの人間関係が良くなるのが最高の組織だと
言うわけです。

これには皆さん納得できるでしょう。

しかしここで大事なメッセージは

「仕事が人間関係がによって犠牲になる」

というメッセージではないでしょうか?

顧客のためではなく、
トップ経営者のために仕事をするようになると
仕事は犠牲になりますね。。

■「何が正しいかより誰が正しいか、
つまり仕事より人を問題にする組織は
堕落である」

社長や代表が「カラスは白い」と
言えば誰もが「カラスは白い」
となる会社は
堕落だというわけです。


2.医療にモノづくりの発想

医療や介護の世界では

費用の面だけではなく、
安全性も問題になっています。

先週22日朝の日経、
注目すべき記事紹介します。

■米国シアトルにある病院、
バージニア・メイソン・メデイカル・センター

トヨタ自動車の工場を見学して

病院経営に活かしているそうです。

muda(ムダ), kaizen(改善)の
日本語が飛び交っていると言う。


医師の権威よりも患者の安全を優先して
患者の危険を感じたら、
病院職員が治療を止める権限を与えた。

トヨタでは、工場の責任者ではなくても
現場で問題が発生したら
現場の作業員に生産ライン全体の動きを止める権限を与えている。


検査施設や備品の置く場所の配置(レイアウト)
を変えて全職員の歩く距離を短縮した。

看護士の患者に接する時間が増えた。

「ムダを削れば医療の質と安全は改善する」
(院長のゲーリー・カプラン)

■日本の病院でも医療事故の反省から日本のモノづくりなど
他業界から学んでいるところもあるようです。

人間の能力は計りしれないけれど、

工場でも、病院でも、運転でも、
ミスはつきもの。

行政批判や責任追及も必要かもしれないけど、
■それぞれの立場で
自発的な改善運動の仕組みが
社会を良くする。

「2年間で1万人の患者を救おう」
と立ち上がった医師たち。

■ドラッカーは
「イノベーションは違う業界の知から生れる時代になった」

と言っていますよ。

遺伝子工学は医薬品業界から生れていないが、医薬品開発に
欠かせない技術になった。

目的は何か、そのためにムダはないか、

他の業界や他の専門分野の「知」を
徹底的に応用する時代です。

トヨタでは「横展開」と言っていますね。

門外漢と言って他分野を寄せ付けないか、
積極的に学ぶか。

これから起りそうな乱気流の時代、
差が出るかもしれませんね。


3.日本の商人道


米国発の金融危機の原因は、

米国人事業家が好きな、

「グリード(強欲)」という
人間の一面が、

金融資本主義を膨張させたことに
にあった。

■私も米国企業に雇われて
仕事をしたことがありますが、

事業の成功のためにはgreedy(強欲)で
なければならない、
と言われて、
何か違和感を感じた経験があります。

職業倫理を消失した資本主義はこれから
変って行かざるを得ません。

■優れた日本企業が今でも大事にしている優れた理念、

「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」(近江商法)

自社の利益と、顧客の価値と、社会貢献と
3者が満足することが事業の基本である。

「先義後利」(大丸創業者、下村彦衛門)

先に社会への義務を果たしたあとで、自社の利益が生れる。

「真の商人はさきも立ち、われも立つことを思うなり」(石田梅岩)

真のビジネスマンは顧客が満足して自分も満足する。

「仁(他への思いやり)、義(人としての正しい心)、
礼(相手を敬う心)、「智(知恵)の4つの心を備えれば
信用を得て商売はますます繁盛する」(石田梅岩)

■日本の商人道は
ドラッカーの思想と同じだと思いませんか?
又は、
ドラッカーの思想は
日本の商人道と同じだと思いませんか?

仁義礼智は日本の武士道にも通じる価値観ですね。

■ドラッカーにはまって
武士道や江戸時代の商人道に目を開かされました。

ドラッカーは近代科学の知識や思想、哲学、宗教など
全体を知った上で人間社会を生態学的に観察して
洞察を得ています。

そこには洋の東西を問わない人間の本質がある。

■古臭い、封建的だ、と嫌悪されてきた価値観。

実は近代科学が捨てたのは
「人間は生態系の一部である」という謙虚さです。

金融危機が終焉を迎えた後にくる社会、世界に通じる
価値観、
ドラッカーにヒントがあるように思います。

皆さん、どう思いますか?



4.多元社会に突入


以前、
ドラッカーの多元社会を紹介しましたね。

曰く、

現代は、
近代の中央集権国家ができる以前の
中世の多元社会になりつつある。

それまでは
中央集権国家が進歩であり大義とされた。

全体主義共産主義は最後のあがきたっだ。

と。

■一方ソ連の崩壊後に急速に進んだ

米国発のグローバル経済市場主義。

パックス・アメリカーナ。

湾岸戦争の勝利で過信した

アメリカの一極主義。

■それが、今年の金融危機とグルジア戦争で
アメリカが壁にぶつかった。

ドラッカーが生きていたら、こういうでしょう。

全体主義・共産主義、それに
米国型金融資本主義の価値観の押し付けも
進歩主義の最後のあがきだったと。

■日本のバブルがはじけて

モタモタしている日本へ圧力をかけた。

米国の理論は、

規制緩和、時価会計などグローバルスタンダード

だった。

ところが米国の経済をマネジメントしていた
元FRB議長のグリーンスパンは
「間違っていた」
と誤った。

■日本は遅れていると煽っていた日本人エコノミスト

は誰も謝っていない。

そもそも遅れているという意味は米国基準に合っていない
ことの裏返しでしたね。

■日本人は、欧米の一神教とは違って
神も仏も、七福神もいる多神教の
多元社会で許しあえる社会がここち良い。

一神教になることを進歩だなんて多くの日本人は
考えない。

■ドラッカーの言葉は今を予言したように響きます。

もう一度引用しますね。

★資本主義でも社会主義でもなく、

カネやモノ中心でもなく、

人間中心の

知識が資源となる組織が
大きな役割を果たす社会にならざるを得ない。

★単一の専門化した無数の組織が機能して、

狭い範囲の使命・ビジョン・価値観を持って

成果を上げる社会。



5.企業家精神と武士道精神


ドラッカーの言う企業家精神とは
経営者だけの精神ではありませんね。

企業家精神とは個性でも知性でもなく
行動原理である」

「粘り強く働き自分を律し、原理を正しく適応する
意志である」

これらの文章の中で、
企業家精神の代わりに武士道精神を入れても
通じると思いませんか?

経営者ではなくても組織の中で一人ひとりが

仕事をする時の精神のよりどころになる考えが
企業家精神と言えますね。

企業家精神のなかで重要なメッセージがあります。

「変化を脅威ではなく機会とせよ」
です。


■いま、
金融危機による株価暴落、
外需縮小と円高、内需低迷など

経済的な大きな変化に見舞われようとしていますね。

危機を機会にする。

外需不振、円高等の変化は

今まで唯一好調だった輸出企業にとって大変なことになる。

■コスト削減など「どうするか」
より「何をするか」が重要な問いとなりますね。

例えば医療や介護、環境改善、マネジメント人材教育

などで人が人を助ける場をつくる

企業家精神が大切になってきますね。

■本日もメルマガ最後までお読み頂きありがとうございます。

今岡善次郎

追記:
これからもドラッカーの視点から武士道、

トヨタ式経営など組み合わせて

新しい視点を用意して
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科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。

乱気流時代の仕事は屋台のおやじ

2008年10月22日 08:00

人の内面を豊かにするマネジメント革命を説いたP・F・ドラッカー。
人生設計・企業設計・社会設計すべてに通じる共通する概念とは、
内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する場をつくるのが
マネジメントの目的であること。別名「愛」と言われるもの。


   『ドラッカー、乱気流時代の仕事は屋台のおやじ』

■こんにちは, 今岡善次郎です。


今週はのテーマは
「乱気流時代の仕事は屋台のおやじ」です。

米国発金融危機が世界恐慌を引き起こすか?

過去数年の間、日本では失われた15年からやっと
脱却したと思ったら、今度は世界レベルで

日本が1990年代に経験したことが

世界で起ころうとしています。

私にとって屋台のおやじになるのも
面白いかも。

●今週のテーマ
==================
1.仕事の理想は屋台のオヤジ
2.守破離
3.人間関係は目的ではない
4.金融危機後の社会
5.一つの行為ではなく一連の行為
==================



1.仕事の理想は屋台のオヤジ

なぜ、仕事の理想は屋台のオヤジなのか。

それを説明する前に、

ドラッカーの組織論について話しますよ。

少し難しくても我慢して聞いてくださいね。

■組織には大きく分けると

連邦型組織と

機能型組織

があると。

連邦とは単一の主権国家を構成する

自治権を持った共和国や州からなる国家の

ことですね。

■だから連邦型組織とは

まとまるのある機能を含む自律する組織、

例えば事業部や小会社からなる会社組織

と言えますね。

■一方、機能別組織とは

製品開発、生産、販売など一部の役割、

さらに細かく分解された組織からなる

会社組織といえます。

■連邦型組織では、

組織を構成する人は

自分が何を期待されているかを知ることができる。

目標がそれを教える。

目標が実現されていれば上が何を考えていようが

気にかけることはない。


■連邦型組織では、

ビジョンと活動を成果に集中させることができる。

利益が上がらない事業が隠れることがない。

目標管理の成果が上がる。

経営者の育成に効果がある。

一般従業員にも目標が設定しやすい。


■連邦型組織では事業活動の中に

市場と製品を含む。

つまりビジネスは

市場と製品を
作り出すことであり、

自己完結性のある

この2つに関わりを持つことが

成果を上げる基本単位

と考えて良いでしょう。


■人間の役割を

単一の機能に限定することは

人間の本質に合っていないという

ドラッカーのマネジメントの原理でもありますね。

■仕事の原理は

寿司屋のオヤジや

屋台のオヤジが理想系ですね。

客の注文を自分で取って自分で作る。

完結性がありますね。

連邦型の組織とはひとり一人が独立完結型
の仕事をこなす組織なんですね。

セル生産と言われるのも

一人が何役もこなす

連邦型組織による生産なんですね。

■私は、妻の在宅介護で炊事、料理が
苦ではなくなりました。

得意料理ありますよ。

屋台開業のレシピ持っていますよ。


2.守破離

読者から少し気になる提案を頂きましたので

最初にそれを紹介し、私の考えを述べたいと思います。

日本には芸や武道において

守破離という到達レベルがあります。

最初は師の教えを「守り」

ある程度マスターしたらそれを「破り」、

自分流を立てるために「離れる」。

■そろそろドラッカーを「破り」

そして「離れる」ことをアドバイスされました。

私の考え。

やがて「破」「離」の境地になって

自分の言葉で語れるのは

大事なことかもしれません。

徐々にその自分の言葉を増やします。


■しかし、ドラッカーの知は芸と違って

「社会生態的観察」によるもの、

その洞察は

私のような並みの人間には

及びもつかない。

今岡善次郎が言うより、

ドラッカーが言っていると言えば

皆が聞いてくれますよね。

読者にとって理解しやすいことが

第一だと思いますので

まだドラッカーを破る、離れる

ところまで行きません。

■しかもこのメルマガのタイトル

ドラッカーですもの。

今岡流ならメルマガのタイトル変えます。

まだまだ相当、先ですね。


■ところで、もう一つ

今後は中国式武術である
太極気功を練習していますが、

現在「守破離」の内、これも

「守」もまだままならない段階です。

■さる13日月曜の体育の日、

高円寺の「太極気功の会」

のメンバーと一緒に

町田市まで

指導員資格試験に受けに行ってきました。

結果はどうあれ、

この試験のために、澤田先生は

7月から特訓体制に入ってくれました。

■「指導員資格試験合格」という目標があって

そのレベルに達していない実力と比較され、

特訓にフィードバックされたわけですね。

気功は始めて2年ですが、実は今の実力の80%
は最近の2ヶ月の特訓のおかげです。

皆さん、習い事だけではなく、

仕事面でも心あたりありませんか。

どんな仕事でも「目標とフィードバック」
が生産性を上げてくれますよね。

ドラッカーはどんなテーマでもつながるので

とても破ったり離れたりできません。


3.人間関係は目的ではない


私のここ10年の専門としてきた仕事は

IT(情報技術)による

サプライチェーンマネジメント
(SCM:供給連鎖の管理)

のレシピ作りでした。


■そのためには人の自律性、

ひとり一人が

全体の目的を共有する
マネジメントスキルを

持たなければならない。

■そこで自然の成り行きで
人と組織というマネジメントのテーマに
取り組まなければならないことになりました。

ドラッカーは企業の人事部門に対して

苦言を呈していますよ。


曰く

★人事管理は人は働きたがらないと言う
ことを前提とする。

★人と組織は人事の専門職の役割かどうか
疑問である。

★人事管理部門では
人間関係論は幸福論を目的にしているが
人間関係は目的ではない。

■人と組織は専門職の仕事というより

マネジメントのテーマである。

すなわち、「人と組織は」
方向付けされ、
焦点を合わされ
統合された

自由な
「人々の意思」

社会に貢献する目的のために成果をあげる。

■自由な意思で自律的
(自立的とは意味が違う)

に目的を考え

成すべきことを計画して

自律的に行動する。

■視野と努力に共通の方向性を

与え、チームワークを発揮させることが

マネジメントなのです。

そのように一人ひとりが考えて行動するには

何をしたら良いのか?

■まずはやるべことは

適切な問いを発することです。

人と組織にとって

どうしたら仲良くなるか

ではなく、
社会のために何をしなければならないか
の問いから始めるべきでしょうね。



4.金融危機後の社会


ザ・デイリー・ドラッカー」
(日本語訳ドラッカー365日の金言)
が読まれていますね。

このメルマガ原稿を書いている10月19日のテーマは、

「企業内所得格差が20倍を超えると憤りとしらけが
蔓延する」

ですね。

メデイアの報道は「恐慌前夜」で一色になりました。


■米国発の金融危機の背景にあるもの。

経済を最終目的として偶像化してきたこと。

あまりにも一元的であった。

人間として生き、人間として遇されるということの意味は、
資本主義の金銭的な計算では表せない。

リーマンブラザーズの日本法人の社員の
平均年収5000万円だそうです。

一方、
中央線などで不景気になると
人身事故が多発する。

生命保険狙いの自殺が多いそうです。

命を金銭的な基準と交換するということでしょう。

■金銭的などという近視眼的な基準が、

人生と生活の全局面を支配するなどということは

許されざることです。

「自由市場経済は支持するが、資本主義に対しては
重大な疑念を抱いている」
(「ネクスト・ソサエテイ」、ドラッカー)


■そもそも金融は経済的豊かさを実現する経済活動を

支える技術であったはずです。

それが目的になってしまった。

技術を仕事にあわせるのではなく、

仕事を技術にあわせてしまった。

金融という技術が
仕事である実物経済を振り回している。


■ネクスト・ソサエテイ(次なる社会)は、

意外に早く来るかもしれない。

アメリカ経済を2006年までの16年間
FRB議長としてマネジメントしてきたグリーンスパン
は言っています。  

「物質的豊かさが目標であれば
世界市場資本主義に代わるものはない」

しかし、

「ここ数年以内にまず間違いなく、
経済はこれまで慣れ親しんでいたものとは様変わりするだろう」


■始まった金融危機がどのくらい続くか分りません。

しかし、

われわれ人類が歴史からしっかり学んで進化すれば

手段であるはずの経済が目的化した資本主義ではなく、

かといって人間の自由を抑圧して結果の平等を

強制しても豊かになれない

社会主義でもない。

■人間として生き、
人間として遇される社会、

人間が人間に貢献することが喜びになる社会、

自己や個人中心の内向きではなく、
外にある目標のために義務を果たす人間が
増える社会。

人と人とのつながりのある社会。

経済的なことのみを目標としない

ネクスト・ソサエテイが

ドラッカーが見ていたものでしょう。


5.一つの行為ではなく一連の行為


成功とは、
単なる一つの行為ではなく、
一連の過程によって成り立つものです。

どんな組織でもその目的を果たすためには、

多くの業務の連携が必要ですね。

■医療や介護においても
医師、看護師、ケアマネージャー、
ヘルパーなどの専門職、

そして地区町村の福祉課の行政。

審査・認定・ケアプラン作成・訪問介護

すべての専門業務が

一人の患者に関わるのです。


モノづくりの会社でも家事でも同じです。

■ドラッカーは一連の行為を「経済連鎖」
(エコノミック・チェーン)
と言っています。

会社のモノづくりでも家庭料理でも、

材料を仕入れて
保管し、
必要な時に取り出して、
中間品を加工し、
完成品を作り、
顧客に運び、
顧客の満足を得る

「供給連鎖」
(サプライチェーン)とも言います。

私は工場で働いた経験はなくても

モノづくりは数年体験しています。

家のキッチンは私の工場。

■金融危機で世界の需要が急速に衰えてきました。

今まで買ってくれた顧客が買ってくれなくなった。

こんな乱気流時代は

どんなやり方をするかより

何をやるか?

を問わなければなりません。

■どんな時代にも通用する

仕事の設計が必要ですね。

一連の行為を再定義しなければならない。

目的は何か、

顧客は誰か、

顧客は何に困っているか、

顧客を助けるモノは何か。


■単一の行為ではなく、一連の行為を

どう定義して、

一つ一つ実行していく。

目的を共有して連携していく。

仕事を一連の行為として定義すること、

不要な行為を中止すること、

一連の行為を再度組み立てなおすこと

言ってみればどんな仕事にも

成功のためのレシピがあるのです。

■本日もメルマガ最後までお読み頂きありがとうございます。

今岡善次郎

追記:
これからもドラッカーの視点から武士道、

トヨタ式経営など組み合わせて

新しい視点を用意して
皆様のお役に立ちたいと思っております。

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ドラッカーの話が盛り上がりますよ。

http://archive.mag2.com/0000269052/index.html


私の10年来のテーマ、サプライチェーンマネジメント
の課題です。

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ここに私のプロフィール載っています。

http://www.tuat.ac.jp/~rmmot/about/prof/imaoka.html

私のアプローチの原点になった「小説 ザ・ゴール」の
解説しています。
ブログ「今岡善次郎のサプライチェーンマネジメント

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東京農工大大学院客員教授
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部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。

小説を書いたドラッカー

2008年10月15日 08:00

人の内面を豊かにするマネジメント革命を説いたP・F・ドラッカー。
人生設計・企業設計・社会設計すべてに通じる共通する概念とは、
内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する場をつくるのが
マネジメントの目的であること。別名「愛」と言われるもの。




         『小説を書いたドラッカー』


ドラッカーの話、だんだん理屈っぽくなってきたと
思われますか?

毎日接するニュースや身近なテーマを
ドラッカー流の頭脳ならどのように解釈するか

考えながらまとめようと思っています。

5番目のトピックでは理論や理屈ではなく、

小説を書いたドラッカーの
感性のテーマで語りますから

最後までお付き合い下さいね。


今週はのテーマは「組織・人間・感性」です。

●今週のテーマ
==================
1.組織は社会の機関
2.人間は多元社会の一員
3.マネジメントとファシリテーション
4.専門家とマネジメント
5.ドラッカーの感性
==================



1.組織は社会の機関

ニューヨークのダウ平均が1万ドルを割り、

日経平均が1万円をわった悪いニュースがかけめぐりました。

金融システムの破綻が

実態経済を不況にする。

■世界レベルでカネとモノの流れが連動しているんですね。

モノを作っている会社も、売っている会社も、

カネの貸し借りでモノの流れを円滑にするはずの金融機関も

お互いに連鎖した社会の機関として機能しています。

企業という組織は社会の機関ですから。

個としての独立した機関は存在しません。

■企業は社会の機関であり社会的な機能である。

「企業にとっての社会は器官にとっての身体である」

生態学者ドラッカーの最も特徴的なメッセージです。

組織と社会は生態的に結合している。

個人と組織も結合している。

■一方、現代科学による常識では

「社会は組織にとって単に環境である」

「組織は個人にとって単に環境である」

と解釈します。

つまり我々が受けた科学的教育は個を社会から分断する

ことでした。

果たしてこの考え方は人間の本質にあっているでしょうか?

何かむなしいというか、寂しいと思いませんか?


■現代科学では、対象を

分断・分析して閉じたシステム

として理解しようとする。

個人中心主義が受け入れやすいのです。

■アルツハイマー病の妻と他の認知症患者を見て思うのこと。

人とのつながりを拒否している患者と

笑顔で人と人のつながりを持てる患者と

どちらが幸せか。

介護士さんを環境と見るか、自分の生活の一部とみるか。

幸いにもの見分けができるようになりました。

■「社会は企業にとって、海が船にとってのように

環境ではない」とも言っています。


2.人間は多元社会の一員

今年は4人目の日本人がノーベル賞取りました。

オリンピックで日本人が金メダル取るときも
うれしいですよね。

われわれは個人として存在しているのではなく、
日本人として存在している証明です。

■つまり日本という社会に属していることの
一体感ですね。

同時に地球人でもあり、東京都民や千葉県人でもあり

特定の会社の社員でもあるわけです。

ドラッカーによると
人間は多元社会の属しているんですね。

■先週の水曜日は、

午前中は妻が入院している浴風会の家族会に参加し、

妻と面会してしばらく時間を共に過ごしました。

日本では治験薬、米国で承認された

アルツハイマー治療薬を、今年7月から個人輸入して
飲ませていますがそれが効いているようなんです。

「笑顔見せ 時に会話も 成り立つを 

くすりの効果 ありがたきかな」

■症状の進行を遅くするだけであったとしても

家族とのコミニケーションできる時間を少しでも

先延ばしできる薬はありがたいものです。

■午後3時半、自宅に戻り経済ニュースに接し

株価の暴落に接し、世の中が何かとてつもない激変に

見舞われる予感を感じました。

世界の金融システムの崩壊も、90年代の日本経済の低迷が

世界レベルで起ろうとしているのでしょうか。

夜は気功の同好会で練習しました。

■この日私、今岡善次郎は、

アルツハイマーの妻の夫として

家族会のメンバーとして、

日本人として、

世界経済の乱気流に巻き込まれる地球人生活者として

気功の会の会員として

多元社会の中で生きてきたわけですですね。

■ドラッカーによると

近代社会は一元的な中央集権化が進歩とされたが

これから中世の多元社会になっていくと見通していました。

一元的中央集権とは

国家だけ、会社だけ、・・・だけに捧げる人生が価値あることする

仕組みですね。


3.マネジメントとファシリテーション

私のメルマガ読者で「ファシリテーション」のスキルを
指導している
人材育成コンサルタントの高野文夫様がいます。

「現代に生きる武士道のこころ」という
論文を送ってくれました。

ファシリテーションとは「物事を前に進める」、「促進する」
、「支援する」という意味がありますが、

マネジメントとはかなり重複した概念のように
見えますが、
高野さんいかがでしょうか?


■明治維新の時代に日本を幕藩体制から議会制民主主義体制に
極めて短期間に変化させたのは世界史の驚きでした。

この社会制度をファシリテート(進め)たのは

武士道精神であったというのが高野さんの説です。

坂本龍馬は薩長同盟を結んで幕府に対する勢力を統一して
歴史を動かした。

勝海舟は幕府側から倒幕軍のトップ西郷隆盛との
交渉で江戸城の無血開城を進めた。

当時30歳前後の若き武士達の心の姿勢は
武士道からきていますよね。

■自分の命よりも大事にした公の精神としか
言いようがありません。

ただし公とは自分が属した藩ではなく日本であった。

武士道を、
「藩のために犠牲にする封建体制」
と見るならば坂本龍馬の
ように脱藩する武士はいなかったはずです。

多くの志しある若き武士達は「藩」から「日本」に
公の対象を変えていた。

■日本が世界史的に乱気流の再び巻き込まれたとき、

消えていたと思っていた武士道が再び
日本人の心に火をつけないとも限らない。


■ドラッカー好きの日本人が多いのは

「マネジメントの目的は内部(自分達)ではなく
外の世界(公)にある」

というメッセージに共感するからだと思います。

■過去20年の米国の経済の繁栄は金融のテクニックで

作り上げた信用経済が

実体経済を膨張させただけだった。

しかし経済で人々が幸せになったかどうか。

ドラッカーはアメリカにいてカネとモノに価値を置く
経済に批判的だったのです。

マネジメントは経済的に成功をもたらすことは
あってもそれは目的ではなく、
手段だとした。


4.専門家とマネジメント

ドラッカーのマネジメントは人間の本質を基盤にしていると

なんども話していますね。


■人間の本質は

自由、自立、卓越性を求め、真摯に

人のために尽したいという責任を持ちたがり、

組織の中での役割と位置付けを求めてると、

話しました。

■ところが産業社会では企業の役割が分業され、

企業の中でも専門が細分化されてきています。

技術もノウハウも奥深い知識が要求される時代に

なっています。

■製造や営業の経験者は経理ができない。

経理の経験者は営業ができない。

専門性とは知識と技能ですね。

狭い分野での経験を深めると力を発揮する。

国政レベルでも行政府毎に専門がある。

財政、産業政策、防衛・・・。

■以前、「スキルに仕事をあわせる」のではなく、

「仕事にスキルをあわせる」のが大事だと話しました。

スキルを専門に置き換えると

専門に仕事をあわせるのではなく、

仕事に専門をあわせことが必要になる、

とも言えます。

■ドラッカーはこんな言い方をしています。

自らの昇進が

経理部内の権力によって決定されると考える者は

企業への貢献ではなく、

経理の専門能力を中心に考えるので

企業の一隅しかしらず、視野も偏狭になる。

■国政レベルでいうと、

自らの出世が

行政府内の権力によって決定されると考える者は

国民への貢献ではなく、

所属する行政府の専門能力を中心に考えるので

行政の一隅しかしらず、視野も偏狭になる。

■機能別組織の問題は

適切な基準や目標の設定が難しく

専門性に関する知識や能力や手法に焦点を当てるので、

ビジョンや組織への忠誠心が偏狭になる。

■したがって、

専門家が成果を上げるには他人によって

理解されることが必要で、

専門家同志が通じればいいと考えるのは

傲慢である。

とドラッカーは言っています。

■今起っている米国発の金融危機は

専門家しか理解できない金融工学によって

信用経済が膨張した結果と言えませんか?

実物経済も、金融経済も

国民の幸せに焦点を当てるべきなのに、

それぞれの専門分野での最適化に

走りすぎた。

政治家じゃなく軍隊が引き起こす戦争も

同じような原因ですね。。

専門はあってもマネジメントがなかった。

■今回の金融危機が恐慌に発展しそうになったら

その時こそ、

マネジメントの出番じゃないでしょうか?


5.ドラッカーの感性


壊れ行く妻とともに生きてゆく時、

心を支えるものは理屈ではありません。

そんな時になぜドラッカーにはまったのか?

ドラッカーのマネジメントの原理に

人間の持っている感性というか情念のようなものを

非常に大事にしているからだと思います。

それが心に響いたのかもしれません。

■私が社会人になった25歳の時に同じ会社に

同期入社した黒田さんが
メルマガにコメントしてくれました。

------------------
時折理論の隙間に

垣間見る人間の感性、

あるいは情念のようなものに惹かれます。 

長いビジネスとかロゴスの世界にいた
反動なのでしょうか。

今まで埋めきれなかった人生の
空洞を余生のなかで埋めていきたい

願望なのでしょうか。

時折、作歌をされているようですね。

何かこころに変化、ギャップ
を感じた時、

自己を表現するもっとも身近で(日本的で)
簡単な詩形式
だと思いますので、
お互い続けていきましょう。
----------------------

■黒田さんの短歌

「庭のぞむ和室に母のけはいなく水打つ朝のひかりまぶしく」

お母さまが退院できる予定の5月を過ぎて容態が悪く
なり、帰宅できなくなったある夏の朝、強い日差しの庭の
景色を歌ったものだそうです。

2人とも技術者として職業人生を
スタートした当時、

お互いに短歌を詠むなんて信じられませんでした。

情とは人生に潤いを与えるものだとは
還暦にして初めて理解できました。

黒田さんは、
NHKの短歌教室に通っている本格派です。

私の場合は主として介護が短歌のテーマになっている
のですが、次のようなアドバイス頂きました。

黒田さんの場合は、
■季節の移り変わり、花や樹木の様、
子供や友との交流などをテーマにしたものがなぜか題材に
なっているようです。

将来は自然の大きさ普遍性を歌えないか、
またさわやかに笑えるほのぼのとした
ユーモラスな歌を作れないかなどと
おもいを巡らしています。


今岡さんもいろいろなテーマに
チャレンジされてはいかがですか。

経営理論の実景を具体的に
詠うのもおもしろいかもしれませんね。

■それでは黒田さんのアドバイスにのって2首

「ドラッカー はまってみれば 懐かしい 人と人との 絆の原理」

「人は皆 自然の一部 お互いに 共生しつつ 生きてる組織 」


■ドラッカーのマネジメントは人間の本質を基盤にして

いながらイノベーションやマネジメントの原理は

論理的に書かれているので

感性の部分を見逃します。

実はドラッカーは小説も書いているんですね。

私はそれを読みたかった。

出版社はマネジメントのドラッカーの小説は売れない

と考えたようです。

■そこに出版業界にもある専門分化、

マーケティング戦略にのらなかった。

とても残念に思います。

「経営は理論以上に情が大切である」
ですよね。

■本日もメルマガ最後までお読み頂きありがとうございます。

今岡善次郎

追記:
これからもドラッカーの視点から武士道、

トヨタ式経営など組み合わせて

新しい視点を用意して
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私の10年来のテーマ、サプライチェーンマネジメント
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ドラッカーの目標と自己管理

2008年10月 8日 08:00

人の内面を豊かにするマネジメント革命を説いたP・F・ドラッカー。
人生設計・企業設計・社会設計すべてに通じる共通する概念とは、
内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する場をつくるのが
マネジメントの目的であること。別名「愛」と言われるもの。



         『ドラッカーの目標と自己管理』


「内面を豊かにするマネジメント革命」



「人と幸せにするマネジメント革命」

に変更します。

まぐまぐの日刊メルマガと同じタイトルにします。

■メルマガ発行準備しているとき、私の原稿を読んで

私より23歳若い菅谷さんが

アドバイスしてくれたときの提案が「幸せ」でした。

「幸せ」や「愛」という言葉を使うのに

照れがある団塊世代ですもんね。

でもドラッカーは理屈で「愛」や「幸せ」

を語りますから理解しやすいように「愛」や「幸せ」

を使いたいと思います。

■読者の中にはマネジメントと愛がどうしても結びつかない

という方がおられますが、良い悪いではなく、人の知覚は

いろいろですね。。

今週はのテーマは「目標」の役割と位置づけです。

●今週のテーマ
==================
1.目標は時刻表ではなく羅針盤
2.共通の目標が持てない訳
3.神々が見ている
4.フィードバック
5.組織が目的になると危険
==================



1.目標は時刻表ではなく羅針盤


■先週は「目標が明日のための行動を決める」
というお話をしました。

「三人目の石工」の例も再度取り上げました。

ただし、目標があなたを支配するようになってはいけない。

他人が目標を設定するのではなく、自分で設定する。

一つにこだわる必要はない。

■「一つの目標だけを探求することは

思考や判断を不要にする

「魔法の公式」を求めることに相当する。

と、ドラッカーは言っています。

そして、
「目標は時刻表ではなく、羅針盤である」とも。

障害物を避けて迂回することこそ目標管理であると。

目標を絶対視して障害物にぶつかるより
迂回する方が正解であるとも。

手段が目標になってもいけない。

ドライブされる方、カーナビで目的地設定すると
時間が表示されるが、

時刻と目的地は同時に設定できませんね。

つまり
「目標は時刻表ではなく、羅針盤である」

というわけです。


2.共通の目標が持てない訳

麻生自民党と小沢民主党、どちらも国民のためと
言っていても共通の目標が見えませんね。

専門集団の行政は政治家が決めた目標に従って成すべきを成す。

これが民主主義ですよね。

■行政も企業も、医療や介護の施設も、家族会も目標を持った
組織ですね。

共通の目標を持つことがマネジメントのスタートですね。

「正しい答えより正しい問い」とは

どうやるかより何をやるか。

「効率の行政」よりより
国民の生活のために「何をやるかの政治」が悪いと社会は良くならない。

■企業も同じですね。

内側の人間ではなく、外にいる顧客のために目標を決める。

共通の目標を設定するのはむずかしい
ドラッカーは言っています。



■「目標が明日のための行動を決める」

「目標は時刻表ではなく羅針盤」

というドラッカーのメッセージお話しました。

共通の目標は持てても、それが誤りやすいのはなぜか。


■メンバーがそれぞれ違う思いを抱いて仕事をしているから。

ドラッカーは共通の目標への誤り易い3要因をあげています。

★仕事の専門家

★階層化

★ものの見方と違いが孤立化


客は誰と見るかの考えだって人によって大きく違います。

■以前、米国の、ある難病研究組織のマネジメントの話をしましたね。

客は本来患者や患者家族であるべきが、研究者だったり、研究機関の幹部
だったりする。

専門家は全体の目的よりも自分の機能を目的にし易いですね。

皆さん、心当たりあるでしょう。

イエイエ、ご自分のことではなく、周りの人で。


■この話題でよく出てくるのは戦前の日本の軍隊ですね。

大戦の引き金になった満州事変。

一つの機能集団、専門集団であった関東軍は
政治家と目標が共有化できなかった。

普通政治が行政や専門家を支配するのに

専門家が政治家支配して日本を悲劇に持ち込んだ。


■会社でも似たような話はないですか。

顧客の要求からではなく、技術の自己満足から製品を開発する。

私も自己満足のメルマガではなく、皆さんのお役に立てる

メルマガ書かないと、読んでくれませんよね。

肝に銘じます。


3.神々が見ている

読者の皆さんとともにドラッカーをネタにして人生・組織・社会

のマネジメントを学んでいます。


■今日、歯科医師のナオキ先生が

私のメルマガバックナンバーのブログ

http://bizdyn.bshonin.com/

を見てご意見くださいました。

介護体験やドラッカーの話で以前読みふけった中国の古典

孟子を思い出したそうです。

人間と社会のことを論じ、人間の持つ善を信じ、

人間は社会とつながった存在としての義務があると

唱えた人ですね。

■まさにドラッカーが言っていることであり、

日本の武士道が唱えている「個は公のためにある」

考え方に影響を与えました。

これを古めかしい封建主義と切り捨てる

個人中心の現代社会が危うくなりましたね。


■ちなみに新渡戸稲造の「武士道」を読んでいると、

近代科学以前の古代ギリシャ
やキリスト教の思想とのあまりに共通点が多いのに驚かされます。

そして孔子や孟子の儒教思想とも。

■そして個人主義と経済中心の現代社会が

今乱気流の時代に巻き込まれている。

人間と社会を切り離した現代科学が危うい。


■ナオキ先生は

孟子の「天が見ている」という言葉に
ドラッカーや武士道との共通点があると見られています。

なぜならば、

ドラッカーが、

80歳のオペラ作曲家ヴェルデイの言葉
「いつも失敗してきた。だからもう一度挑戦する必要があった」

に感動して自分を鼓舞した話をしましたが、

同時に、自分の仕事の基準をビジョンに照らして妥協しない。

■「神々が見ている」や「天が見ている」という

自分に課すストイックな(禁欲主義的な)行動基準は

まさに武士道に受け継がれていますね。


■私など青春時代のある時期にこんな生き方に憧れた時期を

思い出しました。

できない自分に敗北感を味わうか、再び武士道に挑戦するか。

武士道に通じるドラッカーの思想を行動基準にして残りの人生を

送ろうかと覚悟しています。


4.フィードバック


人生でも仕事でも社会生活でも人間に関わるところ

願望や目標があることで楽しんだり喜んだりしますよね。

時にはつらい目標もありますが。

■先週は目標に関してお話しました。

「目標は明日のための行動を決める役割がる」

「目標は時刻表ではなく羅針盤である」

でしたね。

次のテーマは「フィードバック」です。


■目標に向かって行動を起こす。

行動の結果を目標に照らして合わないことが多い。

結果を目標と比較して次の行動の軌道修正をする。

結果を次の行動に反映させることをフィードバック
と言いますね。

■誰かを喜ばせるつもりで贈り物をしたが、ぜんぜん喜んで
くれなかった。

次は別のモノを送る。

顧客が喜んで買ってくれると販売目標を高く設定したが

買ってくれないので売上が伸びない。

製品を改良する。

過去の実績にもとづいて需要予測して販売目標を決め、

生産計画を作ったが、

売れないで在庫があふれた。

逆に売れすぎて欠品になった。

予測の精度をあげるか、フィードバックで生産の柔軟性を

高めるか。


■会社でも人生でも予定通りに行きません。

人間は正しい予測にもとづく決定はできないが、

フィードバックがこれを補完する。

とはドラッカーのメッセージです。

■我々は行動おこす前に何らかの予測や願望から目標を設定します。

野球では野手は打者がバットを振った瞬間に打球の飛ぶ方向を予想して

捕球行動に出る。

自分の位置と飛球の位置関係を見ながら自分の動きを

調整する。

この「見ながら・・・調整する」のが

測定とフィードバックですね。


■オートメーションの工場もロボットも、

この生物が持つ高度の機能であるフィードバック機能が使われている
のですね。

ドラッカーは
「オートメーションは生産の原理だが、それは仕事一般の
原理である」とも言っています。

■ついでに言うと、
それは生態系にあるすべての生物の原理なんですね。

つまり仕事の原理は生物の原理なのです。

自己管理の動機づけとはフィードバックですね。


■喜びは成果の中になければならない。

成果を願望にフィードバックをする必要がある。

失敗の原因から傲慢を正すのもフィードバックですね。

又ドラッカーは失敗はイノベーションの宝庫であると

言っています。


5.組織が目的になると危険


ドラッカーの
目標の話を続けましたが、次に組織・社会の

話に移りますね。

■以前、「組織は道具」という話をしました。

目標は組織の外側にあり組織は
その目的を実現する手段でしかありません。

この場合の組織は機能集団であり、
家族のような共同体
ではありません。

■会社、病院、行政府、介護施設、自衛隊、

難病家族会

これらは顧客という受益者がいます。

製品を買う顧客、患者、市民、障害者、国民、難病家族
はすべて組織が提供するモノの受益者ですね。


■組織が目的になると

顧客が忘れられて

内部の人間のために

仕事が行われることになる。

■社会保険庁の年金問題は、

国民という顧客を忘れて

内部の職員の生活が目的になっていた
ことが明らかになりました。

生活を守ることを目的とする労働組合と

国民の生活を守ることを

目的とするマネジメントの優先問題が間違っていましたね。

組織は社会のために存在しているという
ドラッカーのマネジメント原理に照らせば
年金問題は起こらなかったはずです。


■内部の人間を守ること、すなわち組織が目的になるのを

官僚主義といいます。

それに対して、マネジメントの対象とする組織の

存在理由は
「外の世界への奉仕」
であって

存在することではない。

■組織の栄光のために個人があるのではない。

組織は外の人である顧客のためにある、

これはドラッカーの言葉です。

行政だけではなく企業や病院介護施設でも不祥事を
おこしているケースの多くは

組織が目的化していることが原因といえますね。

■本日もメルマガ最後までお読み頂きありがとうございます。

今岡善次郎

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ドラッカーの時間・現場・愛・目標

2008年10月 1日 08:00

         『ドラッカーの時間・現場・愛・目標』

10月に入り、今年も後3ヶ月で終わりですね。

メルマガ初めて2ヶ月超えました。

ドラッカーの思想は日本の武士道にも、世界でその経営方式が

注目されているトヨタにも類似性があるとお話しています。

今週のキーワードは
時間、現場、愛、目標です。


●今週のテーマ
==================
1.時間のムダを制する者は成功する
2.現場もマネジメントの一角
3.”愛”を理屈で言うと
4.目標が明日のための行動を決める
==================



1.時間のムダを制する者は成功する


■以前「仕事からではなく、時間から始める」
とのドラッカーのメッセージをお伝えしました。

今日は気功と面会以外に買物、炊事、洗濯、読書、メルマガコメント返信、
メルマガ原稿書き、仕事の計画練り直しなど忙しい日を過ごしました。

さらにドラッカーのメッセージで重要な時間に関わるのは

「時間のムダを制するものは成功する」

というのはあります。

■成功するとは仕事、健康、家族関係、友人関係など全てです。

とりあえず多くの人が仕事で成功したいと思っていますから

仕事に絞って話しますね。

時間のムダはいっぱいあります。例えば、

★目的に合わないことに時間が取られる

★資料(材料)の保管・移動・探索の時間

★当たらない予想に時間をかけて計画する

★人や物が揃うのを待つ時間

★一つの仕事から別の仕事へに切替時間


■トヨタ自動車には「7つのムダ」というのがあります。

在庫のムダ、
作り過ぎのムダ
運搬のムダ
手待ちのムダ
不良品を作りムダ
動作のムダ
加工のムダ

■これらは全て時間に関係していますね。
特に動作のムダ、加工のムダは「目的に合わないこと」
ですね。

在庫のムダの原因は作り過ぎのムダから来ており、
在庫が多いと運搬のムダを作ります。

在庫自体もモノの流れにの滞留時間ですね。

■あなたのお家の冷蔵庫に、
長い間滞留している在庫がありませんか?

モノと人の時間からムダを取るトヨタ式経営

最も貴重な人的資源の時間のムダに焦点を当てるドラッカー

どちらも考え方は同じですね。



2.現場もマネジメントの一角

仕事の設計において人の位置づけと役割をどのように決めるか
重要なテーマです。


■製造業も、小売業も、

マンションの管理組合も学校のPTAも、

現場で業務する人から社長、工場長、店長、会長又は理事長まで

様々な役割がありますね。


工場の現場で設備を購入するとか、生産のやり方を変更するとか、

新しいシステムを導入するとか、

いろんな意思決定がありますが、現場の仕事をしない上の人間が
決めないで現場の人間が決める必要がある。

ドラッカーのマネジメントは人間を頭と身体に区分しない。

■現場に遺伝子があり上の組織は全てこの遺伝子によって
規定される。

可能な限り意思決定は下の階層、実行される現場に近いところで
行う必要がある。

台所で使う調理道具は炊事を行う通常、主婦が決定権を持つ。

ソフトウエアツールの選定や新開発は使うユーザーが決める。


■現場もマネジメントの一角である。

★仕事の改善は仕事を行う者から始まる。

★働く者すべてがマネジメント的視点を持たなければならない。

★マネジメントとは自らの行動によって全体への責任を取る者である

これらのドラッカーの言葉を聞くと、どんな仕事していても

言われるままの仕事人生ではなく、自ら主体性と責任を持つ

人間になれと、言っているわけですね。


3.”愛”を理屈で言うと

 内ではなく外にある成果のために、

人が人に貢献する場をつくるのが

マネジメントの目的であること。

別名「愛」と言われるもの。


■「愛」をどうしてこんな難しい言葉でいわなきゃいけないの?

という質問を受けていました。

ウ~ン、それもそうだな。

でも多分「愛」とは感情的なもの、

それを理屈でいうと
「内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する」こと

と自分で解釈していました。

■新渡戸稲造「武士道」の中にこんな言葉がありました。

・・・例えば親に対する私たちの行動は、「愛」が
唯一の動機である。

それがない場合は何らかの権威が必要である。

そこで(武士道を作った)人々はこの権威を「義理」とした。

もし愛情が徳の行動に結びつかない場合は、
頼りになるのは理性である。

そして理性、ただちに人を正しく行動することを訴える。

■難しいですね。

武士は「愛」という感情をいだかなくても、
義理で「愛の替り」ができると考えたのでしょうか

皆さん、愛とか義理とか聞くと何か思い出しませんか?

■そう、バレンタインデイの「義理チョコ」ですね。

昔は武士で今はOL

ですかね。

昔の武士は、チョコレートではなく義理に命をかけていました。


■顧客満足、べつに顧客へ「愛」を心でで感じなくても
理屈で考えればいいんです。

つまり義理でも良い。

ドラッカーはそれを「責任」といっているのでしょうか。中世の価値観に戻ると未来を洞察して
いましたね。


4.目標が明日のための行動を決める


■以前3人の石工の話をしましたね。

仕事の目標をどう考えるかの違い。

一人目「これで飯を食っている」

二人目「技術を発揮する」

三人目「教会を建てる」

マネジメントとは経営資源を顧客満足へ変換することでしたね。

三人目の「教会を建てる」ことを目標とする石工がマネジメント
だと言いました。

■それでは目標を意識することでどんな違いがでるでしょうか?

一人目と二人目の石工は、目標がずれていても気にしない。

教会ではなく、学校を作っていても、橋を作っていても関係ない。

全体像と納期が目標として意識されていると、

明日のために今日やるべきことを自分で考えられますね。

■「三人目の石工」は他の作業との関連を意識しますね。

仕事の与え方を間違えても、

現場で間違いがわかります。

全体の仕事が分れば仕事の段取りもつけられる。

仕事の進み具合が分りますね。

全体を把握していない一人目と二人目の石工は
間違っても自分で気がつかない。
仕事の段取りが悪い。

ドラッカーは目標設定の意義を5つあげています。

■目標を意識し、設定することの意義は

★なすべきことを明らかにする

★なすべきことを成したか否か明らかにする

★いかになすか明らかにする

★決定が良かったのかどうかを明らかにする

★改善の方法を明らかにする


■「正しい答えより正しい問い」とは

問題解決より問題定義だと言いましたね。

問題定義とは「なすべきことは何か」を問うことですね。

「いかにするか」より大事なこと。

「どう石を切るか」より先に「何を作るか」が

間違っておればすべての時間がムダになる。

■目標設定が

「明日のために今日やるべき行動を設定する」のですよね。

仕事の設計をするとき、最も大事な問いは「目的は何か」ですね。

あまりにも目標が明確な場合に、この問いを発すると
「理屈っぽい奴」と批判される。

昨日の延長線上で惰性で続けている時、
顧客や市場が変わっている時、

この問いを無視すると悲劇が起こる。

今日のメルマガお読みいただきましてありがとうございます。

お役に立つお話でしたでしょうか?


追記:
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部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。
 

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