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ドラッカーの第3の生産性革命とトヨタ
2008年9月 3日 08:00
人の内面を豊かにするマネジメント革命を説いたP・F・ドラッカー。
人生設計・企業設計・社会設計すべてに通じる共通する概念とは、
内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する場をつくるのが
マネジメントの目的であること。別名「愛」と言われるもの。
週間メルマガ(水曜)株式会社ビジダイン出版
『ドラッカーの第3の生産性革命とトヨタ』
■こんにちは, 今岡善次郎です。
いつもメルマガお読み頂きありがとうございます。
9月に入り、福田総理の辞任発表で、
又政治の季節になりました。
この一週間は箱根温泉に介護旅行に行ったことを短歌にして
一首読みました。
家族のことで部分と全体のことに触れました。
★日刊メルマガの読者の、秋山澄男さまから感想頂きました。
「介護の夫婦愛を詠まれた短歌すばらしく、救われる思いでした。
人体は良く出来ていて、私は「ヒエラルキー」という言葉が好きですが、
良い器官が集まれば良い人体が出来る訳ではなく、
高い目標の人体があればこそ良い器官が育つと思っています。
メダリストたちは高い目標を掲げ「器官」を鍛えましたが、
政治家達は残念ながら目先の「機関」の調整に汲々として対照的です」
★高い目標があればこそ良い器官が育つ、
というすばらしいメッセージですね。
自民党も民主党も国民全体から見ると「器官」に過ぎない。
国民全体を顧客としてマネジメントしてくれたら行政も政党も
よく育つでしょうね。
さて今日は、
この一週間のまぐまぐ日刊メルマガの総括です。
●今週のテーマ
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1.第3の生産性革命
2.階級闘争と生産性革命
3.マネジメントと格差
4.部分と全体
5.ドラッカーとトヨタ式経営
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1.第3の生産性革命
ドラッカーの概略として、マーケティング、イノベーション、
人間の特質を概観しました。
■ここら辺でドラッカーのマネジメントについて
歴史的意義をみておきましょう。
ちょっとむずかしいと思われるかもしれませんが、
以前アニメーションドラマにあった言い方をすれば
「マネジメントはじめて物語り」ですから気楽に
聞いてください。
近代経済社会の進化はワットの蒸気機関の産業革命から
始まったと言われています。
しかしマネジメントの歴史から見ると、産業の生産性が飛躍的
に高まったのは「百科全書」(1751年)と見られています。
これにより、
■徒弟制度に頼らなくても技術者になれる知識の体系化が
始まったのが最初だとドラッカーは言っています。
職人の仕事を観察したルソーなどの論理学者がコンセプト化
(集約して近いものを同じ概念にまとめた)
したおかげで仕事に知識が急速に応用されました。
■50年かかっていた技能取得が5年になりました。
■次に生産性の爆発向上をもたらしたのは仕事を要素に
分割して人に当てはめる、F・W・テイラーによる
科学的管理法でした。
人間的要因を見落とす悲劇はありましたが、
知識を仕事に応用するコンセプト化であったのは、
「百科全書」の流れをくむ革命でした。
■どちらも工場内での労働者の生産性向上の知でありました。
ところが現在工場の労働者は減り、ドラッカー命名の
知識労働者主体の産業社会になり、知識労働者の生産性を
どうあげるかが先進国のみながら全世界の緊急の課題となりましたね。
■第3の生産性向上、知識労働者の生産性向上は
ドラッカー流のマネジメント革命なのです。
工場の現場でも、小売業の現場でも、医療や介護の現場でも、
ボランテイアの活動でも、
生産性をあげるために幾つかの専門別の現場が連携して
効果をあげる時代になっていますよね。
■専門分野の知識の連携と結合が
第3の生産性革命としてのマネジメントと言えないでしょうか。
ドラッカーは現場にマネジメントの
DNA(遺伝子)があると言っています。
マネジメントは権力者の特権ではない。
一人ひとりが組織の目的である、社会への貢献を意識して、
異なる専門分野の人が連携して卓越する成果に向けて
自律的に仕事をする。
■科学的管理法のF・W・テイラーとの違いは、
★人間の特質を基礎におくこと、
★仕事をする人全員がゲリラ戦の兵士のようにマネジメントすること、
★1時間当り生産性を最大にするのではなく
500時間あたりの生産性を最大化すること、
★どうしてするかより何故するかの問いから始めること
などドラッカーは多くのヒントを与えました。
■成果のある事例を抽出して一般化(コンセプト)化する。
★個人の職人技の体系化である第一次の生産性向上の「百科全書」も、
★連続作業の要素分割である第二次生産性向上の「テイラー」も、
★そしておそらく専門知識連携の第三次の生産性向上の
「ドラッカーのマネジメント」も、
■経験則の知識化、知のコンセプト化、
あるいはダイナミックス(力学原理)の抽出(モデル)化の
の作業といえます。
2.階級闘争と生産性革命
最近、蟹工船がブームになり、格差社会だとか言われ、
又歴史が繰り返されるでしょうか?
全共闘世代とか団塊世代と言われる我々の世代の過激派は
今どうしているか?
介護業界のカリスマもいますね。
■しかし階級闘争、世界革命の盛り上がりが再びくることはないでしょう。
階級闘争についてのドラッカーの歴史観を紹介しましょう。
■「歴史上の事件はお互いに関係の無い数多くの発展の合成である。
ヘーゲルやマルクスなどの19世紀の理論は『厚顔極まりない単純論』
の誤りである。マックス・ウエーバーの資本主義はプロテスタント倫理の
落とし子論もそうである』
むずかしいですね。
理系の人、なじめないですかね。
私も理系ですが。
少し我慢して付き合ってくださいね。
■マルクスの単純論とは
「マルクスは貧富格差を生んだのは生産手段が
労働者から資本家に移ったからだ、と言ったが、
根本的な原因は資本ではなく、技能が知識化され体系化され
たことによる」と
ドラッカーは考えました。
しかし一方で、
■「マルクスの資本主義の矛盾は資本主義を生んだ生産性革命で消滅した」
「生産性の伸びがプロレタリアの分け前となった」とも言った。
格差を生んだ原因が格差の問題を減らした、と言っていますね。
単純じゃないんですね。
■マネジメントもその能力の差で格差を生んでいるが、格差問題を
解決するのもマネジメントしかない、と言えますよね。
それでは、
■マネジメントと格差の問題をどう解決するか。
3.マネジメントと格差
■マネジメントが格差を生んでいるが、格差問題を
解決するもマネジメントだと昨日言いましたね。
人間社会の問題は、人間が起すものですね。
製造現場の問題だって、人間が起すものです。
品質問題も、設計問題も、経営の問題も、人間が起因しています。
人間の能力や人格ではなく行為に起因しています。
■例えばトヨタ式経営で有名な「なぜを5回」繰り返せ、という
のがあります。
ドラッカーは「根本問題は何かに時間をかけよ」と言いました。
そして「未来は知りえないし予期せぬことが起る。それを
補完するのがフィードバック(やり直し)である」
と言っています。
ドラッカーのマネジメントは単純論の科学を否定します。
原因と結果が事前に明確に分るという前提を否定します。
予期せぬ結果となる現実にもとづいて
フィードバック(やり直し)する。
■企業は原因と結果の判断を誤れば数年にして死に絶えます
(倒産します)
格差社会の原因も単純論で追究して因果関係を誤れば
とんでもない原因を抹殺しようとして、
社会に悲劇が起ります。
■マルクスの単純論とは
「マルクスは貧富格差を生んだのは生産手段が
労働者から資本家に移ったからだ」と言いました。
現在の格差は生産手段の移行は誰から誰に移っているから
でしょうか?
ドラッカーは人間の本質からマネジメントの原理を語っている
いますよね。
そうです。
■マネジメントの目的さえ誤らなければ、マネジメントこそ
格差社会の問題を解決するのではないでしょうか?
ドラッカーのメッセージは重要です。
■「根本問題は何か」
「判断や思考の代わりに公式を求めることは問題である」
人生にも、仕事にも、社会にも通じる考えですね。
4.部分は全体との関係のみで存在する
8月29日(金)から30日(土)にかけて、箱根で一泊しました。
■若年性アルツハイマーの妻を病院から外泊許可をもらい、娘と
一緒に温泉を楽しみました。
温泉付きで、自炊のできるコンドミニアム。
ブロッコリーとニンジンを茹で、ポークステーキを作りました。
塩コショウだけの簡単な男料理です。
29日の夕方、雨もあがり芝生の庭にでました。
ベンチに腰かけていると、小川のせせらぎが聴こえ、
緑濃い山と、雲の間から少し青い空も見えました。
夫婦と娘一人の3人でしたが、妻は時々、
誰といるか分らない瞬間がある。
短歌一首
■「離れ行く きみの表情 引き留めん おどける笑顔 心は涙」
私が運転中、後部座席で、顔の見えない夫に不安を感じる。
キッチンで料理している男は誰か。
私を不思議そうにジッと見ている。
私は必死で笑顔を作って「おとうさんだよ~ん」と言って
記憶を引き留める。
そして分った時は、うれしそうに、
■「お父さん」と笑顔を返す。
その瞬間、ああまだ夫婦なんだ、家族なんだ、と
安心します。
思い出せなくても、結婚生活36年の経験の共有を
実感できます。
■夫婦や家族は最小単位の人間組織ですね。
「社会生態学者」ドラッカーによると人間の組織は、すべて同一の「種」
と言っています。
一人ひとりと家族の関係。
社員と会社の関係。
会社と社会の関係。
これらは器官と身体との関係と同じだと洞察しています。
ただし人間は多元的組織の属していますが。
生態学において、部分はなく、すべて全体である。
■「部分は全体との関係でのみ存在する」と言っています。
妻は私や娘を認識しているかぎり、家族として生きているのです。
話が飛躍するかもしれませんが、企業(市民)は社会との関係でのみで
存在するのですよね。
■食品偽装や環境破壊などを起す企業や、顧客である社会の構成員を
認識できない企業は生きているとは言えませんね。
5.ドラッカーとトヨタ式経営、そしてサプライチェーンマネジメント
注目すべき新刊「ドラッカーとトヨタ式経営」
(ダイヤモンド社、今村龍之助著)が8月末でました。
ドラッカー翻訳者の上田惇生先生から6月頃に聞いていましたので
早速アマゾンで取り寄せて購入しました。
私も本メルマガで
ドラッカーのマネジメントの事例として
トヨタ式経営を何回か取り上げていますよね。
著書の今村氏は前書きでこんなことを言っています。
■「現在、世界で最も読まれている経営書はドラッカー教授の
『現代の経営』をはじめとして一連の書籍である」
「現在、世界で最も注目を集めている経営方式はトヨタ式経営
である」
このことについて、疑いをもつ人はいないだろう。
しかし、この2つの事実に関連があったというと、
大方の人は『何を馬鹿な」と思うだろう。
■2005年2月、この年の11月偉大なドラッカーは逝去されますが、
日本経済新聞の「私の履歴書」欄に、ドラッカーは回顧録を書きました。
GMから依頼されて経営について調査し、提言し、
著作「会社とは何か」をまとめました。
しかし、トップ経営と組合から反対されて
GMからは禁書扱いになったそうです。
ところが。
■ドラッカー氏曰く
「私の助けを借りてトヨタ自動車に持ち込まれ・・・」
今村氏はこれを読んで驚愕したそうです。
「トヨタ式カイゼン入門」など若松義人氏の著作の編集など
手がけていた今村氏は、あらためてドラッカー読み直して
今回の新刊となったわけです。
■2005年のはじめと言えば、
私、今岡善次郎は自宅で妻を介護しながら
工業調査会で発行した「サプライチェーンマネジメント」
関連の2冊の延長としてトヨタ式経営の応用である
「セル生産がわかる70のポイント」
を執筆がほぼ完了していました。
その直後、
日本経済新聞社で2000年に発行した
「サプライチェーン18の法則」を
日経ビジネス文庫「トヨタ式経営18の法則」
に書き直ししておりました。
■実は私、今岡善次郎も、ドラッカーは回顧録
「私の履歴書」を読んで驚愕し、さっそくドラッカー
を始めて読みました。
トヨタ式経営やセル生産についてトヨタ自動車やキャノンや
その他京セラなどを調査し、知りえた原理との共通点の多さに
驚愕し、2005年頃から講演などで紹介しておりました。
米国から学んだつもりのサプライチェーンマネジメントの
源流は日本にあるじゃないか、
そう思って、私は、トヨタ式経営、セル生産、
アメーバ経営などの本質は何かと調べていたわけです。
サプライチェーンマネジメント(供給連鎖管理)の源流を
トヨタ式経営を中心とする日本式成功事例に求め、その原理を
抽出(コンセプト化)していたら、そのさらに源流として
ドラッカーに行き着いたというのが実感です。
人間の本質に根ざす経営であることは
何回も言っていますよね。
■ちなみにドラッカーの著作には
エコノミックチェーン(経済連鎖)という言葉がでます。
マネジメントとは経営資源を顧客満足に変換する
経済連鎖の生産性をあげることである、という表現も
ありました。
■私の思考は日米を行ったり来たりです。
これからドラッカー思想のシャワーを浴びて、
サプライチェーンマネジメントのパワーアップします。
今までの著作のナレッジを徐々にブログで公開し、
ここから再スタートします。
■ブログ「今岡善次郎のサプライチェーンマネジメント」
立ち上げました。
↓
http://ameblo.jp/bizdyn/
■まぐまぐ日刊メルマガ
「人を幸せにするマネジメント革命」
↓以下から無料登録できます。
http://www.bizdyn.jp/
おかげさまでまぐまぐランキング入りしました。
http://www.mag2.com/ranking/rankings.html
また、次号で。
ドラッカー流マネジメント求道家
今岡 善次郎
ここまで
やや長い、
■週間メルマガ「★内面を豊かにするマネジメント革命★
┃~P.F・ドラッカーに学ぶ人生・企業・社会設計のすゝめ~
第11回お読み頂きありがとうございます。
■このメルマガに対するご意見・ご感想があれば、ご遠慮なくお寄せ下さい。
↓
imaoka@bizdyn.jp
こんなことが知りたい、今こんなことで悩んでいる、
自分もこんなこと考えている、
自分もドラッカー流マネジメント求道家になりたい、
など、何でも結構です。
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今岡善次郎 株式会社ビジダイン
http://www.bizdyn.jp/
ドラッカー学会 会員
http://drucker-ws.org/
東京農工大大学院客員教授
http://www.tuat.ac.jp/~rmmot/schedule/syllabus_2008/204_08_supply_chain.pdf
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部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。
