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ドラッカー、スキルを仕事にあわせる
2008年9月17日 08:30
人の内面を豊かにするマネジメント革命を説いたP・F・ドラッカー。
人生設計・企業設計・社会設計すべてに通じる共通する概念とは、
内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する場をつくるのが
マネジメントの目的であること。別名「愛」と言われるもの。
週間メルマガ(水曜)株式会社ビジダイン出版
◆━【今岡善次郎のマネジメント・メルマガ】第14回━━━━◆
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┃ ★内面を豊かにするマネジメント革命★ ┃
┃~P.F・ドラッカーに学ぶ人生・企業・社会設計のすゝめ~ ┃
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スキルを仕事にあわせる
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■こんにちは, 今岡善次郎です。
いつもメルマガお読み頂きありがとうございます。
秋雨が降って涼しさ増し、秋らしくなって来ました。
今年の中野鍋横の秋祭りは終わりました。
昼は神輿担いで、夜は夜店と盆踊りでにぎわう天祖神社の広場で
一人ビール飲む。
「満月の 盆踊りの環 秋祭り 2年前まで 傍にいた君」
アルツハイマー発症した妻とは散歩も祭りもいつも傍から
離さなかった。
今年は一人で夜店の焼き鳥とビールで盆踊りを眺めていました。
■米国発株式市場の大混乱は、いよいよ本格的な乱気流時代に
入るさきがけでしょうか。
時代はどう流れるにせよ、人間の本質を基盤とするドラッカーの
マネジメントの真髄は不変だと思います。
●今週のテーマ
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1.理想社会とは
2.介護体験と戦争体験
3.仕事の設計
4.仕事にスキルを合わせる
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1.理想社会とは
弊社の目的を人を幸せにするマネジメント人材育成を理想を語ったところ、
メルマガ読者のから、以下の問いを頂きました。
>[人を幸せにするマネジメント人材]とは、
>どういう人をいうのか知りたいですね」
>理想社会とはどんな社会だろうか?
私の回答です。
■マネジメントも目的は
「最も貴重な資源である人が、
外にある社会の顧客である人を幸せに
することで自分が幸せになる」
ことである、とドラッカーを私なりに解釈しております。
それが「人を幸せにするマネジメント」であり、
ドラッカー流思考に近づける教材を開発中です。
■単なる知識教育ではなく15の原理をトヨタ式経営と対比させて
それぞれ3つの質問、45の質問に答えるワークシートをつくり、
教材開発してセミナーも企画しようとしています。
いずれ「トヨタ式経営18の法則」(拙著、日経ビジネス文庫)を
ドラッカー流に書き換えようと考えています。
■「人類にとって理想社会とは、具体的にどういう社会か?」
こういう問いに私もドラッカーにはまって考えるようになりました。
今のところ、以下のように考えております。
★近代社会の個の追及の一方で、企業も行政も中央集権化し、
個人が組織に埋没し個性や感情や喜びを失ってしまった。
★全ての問題と責任を政治や組織のせいにする
縦の依存と支配の人間関係ではなく、
中世の時代のように人が人を助けることで
喜びを感じられる横の人間社会。
★企業も、病院も、介護施設も、町内会も、家族も
一人ひとりが、自主性・自立性・自由を持ち、顧客は誰かと
適切に問い、効果的なマネジメントが行われれば
社員も顧客も幸せになり、そしてその積み重ねが理想社会
になる。
こんなふうに考えていますが如何でしょうか?
■少林寺拳法の目的についても話してくれました。
>私は長年、少林寺拳法に関係してますが、少林寺拳法の目的は
>[理想社会を作る]ことにあります。
>わかり易く簡単に言いますと、拳法の修行を座禅に見立てて
>[拳禅一如]という考えで、拳法の修行を通じて
>護身錬胆、そして愛と力を併せ持った
>自己を作り、
>最終目的の理想社会作りを目指そうというものです。
■「愛と力」
「愛」とは自分以外の外の人を幸せにすること、
「力」とは自分の為、人の為に、自分を成長させること、
という風に考えると
少林寺拳法のビジョンと
弊社のビジョン、恐れ多いですが通じているところ
ありますね。
ありがとうございました。
2.『介護体験と戦時体験』
秋の兆しが感じられる澄み切った青い空と夏の濃い緑に囲まれた
浴風会本部。
浴風会の認知症患者家族会「よくふう・語ろう会」の9月定例会
が一昨日開催されました。
■ケアスクールの校長、服部安子先生のお話の後、
妻を介護している夫、夫を介護している妻、親を介護している娘・・・
など介護者の立場毎のグループで経験談を語り合いました。
私は認知症の妻を介護している男性4人のグループで語り合いました。
私を除いて皆さん、70歳代後半から80歳くらいの、
戦争を知っている人生の先輩達です。
■私は切り出しました。
「在宅介護はデイサービスやヘルパーさんにお願いしても夕食や朝食
を用意して、夜のトイレ介助、着替え介護など24時間365日
何が起こるかわからない臨戦態勢ですよね」
そして続けました。
「私は妻を入院させて罪悪感がありましたが、数年ぶりに
夜も起されることなく眠れ、ストレスで上がっていた血圧も
正常化しました」
ここまで前置きして本筋に入りました。
■「終戦の日、1945年8月15日の皆様が、その日を
境に米軍の空襲もなくなり、明かりを消す灯火管制
もなく、安堵したと訊きますが、
私にとって入院した日は
まさに終戦の日、
敗北とともに夜眠れるようになった日です。
介護と戦争のストレスは
どちらが大変ですか?」
と訊きました。
■終戦時、15~18歳の青年時代を送っていた先輩達は
いろんな話をしてくれました。
★空襲が始まったころ、グアムかサイパンからB29が空襲するのは
遠距離だったので一度来襲すると、次の一週間は来ないことが予測できる。
B29が立ちさるとこれから一週間は命が持つと安心できた。
★介護は何時問題行動が起るかわからないが、すぐに生命に関わる
わけではない。
★戦時中、我々の意識は国家のため、というより天皇のためと
教わった。介護は妻の為であり自分のためである。
でもどちらも大変だがストレスの種類はぜんぜん違う。
■戦争も妻の悲惨な病気も、男達にとって、国や家族との関係で
降りかかって来た災難のように思える。
しかし人は国家や家族との関係の中で存在しているので、
国家や家族を恨んでも救われない。
■男達にとって、自分の役割と全体の中での位置づけ
自分をマネジメントするしかない。
戦争のような国家のマネジメントの問題も、
個人の介護など人生のマネジメントの問題も
社会生態学的にみればすべて関係している。
そんな視点を提供してくれるのがドラッカーですよね。
3.仕事の設計
■9月12・13・14日の間、
自宅近くに天祖神社では秋祭りが開催されました。
私もハッピを着て御輿を担ぎました。
中野に住んで16年、いつもこの時期、自宅で掛け声を聞くか
傍で見学するだけだったのですが、地域の町内会役員さんと
カラオケスナックで知り合って誘われた次第です。
ハッピを着るのも興奮、掛け声かけて神輿担ぐのも興奮です。
大きな声を合わせて思い神輿を肩に足並みをそろえる。
顔見知りは数人でしたが、地域市民に溶け込んだ一体感は
心地よいものがありました。
■ドラッカーマネジメントを「産業革命」「テイラー」と対比させ
第三の生産性革命と名付けました。
「テイラーの科学的管理法の盲点を認識してテイラーを超えなければ
ならない」(ドラッカー)
科学的管理法の盲点とは何でしょうか?
仕事を要素に分解し、細かい専門に人間を押し込めたことによる
失った意思、個性、感情、欲求、情熱でしたね。
■「科学的管理法から分解することを学んだ以上は総合することを
学ぶ必要がある」(ドラッカー)
3人の石工の話をしましたね。
ケーキ屋さんの仕事の話もしました。
厨房で小麦粉をこねるだけで、レシピも知らない、
ケーキ作りをしらない、客も見ない、・・・では面白くありませんね。
自分ひとりでケーキが作れて顧客が喜ぶ顔を見ることで仕事の
喜びを味わう。
本来のモノづくりは、家庭の主婦が料理を作ることで
顧客である家族を楽しませることと同じでしょうが、
現代産業における仕事はそうなっていないですね。
■仕事をしていても誰かを助けるか、喜ばせるか、貢献しているか
知りたいですよね。
つまり仕事の成果を自分で測定して自分が満足したり改善したり
できるレベルまで仕事をまとめなさい、というのが
ドラッカーが50年前に言っていたことです。
「まとまりのある完結した仕事をすることで
、測定可能なレベルの統合が必要である」
(ドラッカー)
4.仕事にスキルを合わせる
繰り返します。
「仕事の成果を自分で測定して,
自分が満足したり改善したりできるレベルまで
仕事をまとめなさい」
「まとまりのある完結した仕事をすることで
測定可能なレベルの統合が必要である」
とのドラッカーの仕事の設計原理
を実証して、世界が見習っている日本の会社
はどこでしょうか?
■はい、トヨタですね。
私が米国から学んだサプライチェーンマネジメントの源流探しを
した会社です。
トヨタは日本での評価より欧米の評価が断然高い。
あのGEもボーイングも学んでいるんですよ。
日本では実務家は関心が高いが、日本の産業全体から見ると
未だ異端と見られていますね。
トヨタを評価する時、日本では生産方式や「摺り合わせ理論」
とかいう製品設計論での説明が多いように思われます。
人間に関わる経営としての
ドラッカー原理から説明したのは、私の知りかぎり、
今年8月発行された「ドラッカーとトヨタ式経営」
(ダイヤモンド社、今村龍之助著)が最初ですね。
そして私のメルマガですね(笑)。
■トヨタの生産方式の考え方は機械設備を最大限に動かすこと
を最重要視しないで
人の動き、そしてモノの流れに重点を置いて工場の配置をする。
人が主、機械が従だから人が作業をしやすいように機械を配置する。
50年前、世界最強の製造会社であったGMの経営の問題を指摘して
マネジメント原理を作ったドラッカーは、以下のようなことを
言っています。
■「優れた生産組織は機械中心に仕事を配置するのではなく、
仕事中心に仕事を配置する。あちこちに置かれた機械のところまで
原材料や資材を運搬するより安上がりである」
私はこのままトヨタ生産方式のレイアウトの定義として使えるのでは
ないかと思います。
トヨタ生産方式の応用であるセル生産も同じですよね。
トヨタ生産方式に詳しい方コメント下さい。
■さらにドラッカーは、この考え方を製造からマネジメント全体へ
一般化します。
「仕事をスキルに合わせるのではなく、スキルを仕事に合わせる
ことが必要である」
「思考と情報は資材より保管運搬のロジスティクス・コストがかかる」
調査・研究・事務など情報や知識を扱う仕事も同じですね。
専門家の連携でプロジェクトを進めるとき、専門家にプロジェクト
を合わせるのではなく、専門家がプロジェクトに合わせなければ
情報のロジステイクスコストがかかり
リードタイムが長くなり
流れが滞留してしまいます。
■ところで「なぜトヨタは世界ではリーン生産として次世代の標準」と
言われながら日本で異端なのか。
★三河という地方が本拠地で東京ではない。
★ジャストインタイムなど部品メーカーへの要求が激しい
いろいろあります。
私の仮説
★トヨタ式経営、ドラッカー原理は「自主」「自律」
がベースにあってチームワークが効果を発揮するというものですね。
「自主・自律」ではなく、
日本人はお上への依存・甘えからくる「依存と支配」
の構造が、組織の論理になっているからかも知れない。
自分で何もしないで行政批判する医療や介護業界しかり、
自主的な経営参加を労使とも控える、
マネジメント批判しても
自分の専門分野から出ない等など。
テイラー主義での成功体験が根強い世界の産業界の主流から
見るとリーンの未だ異端かもしれないですね。
あくまで私の意見です。
これは意見が分かれるところかもしれませんね。
今日もメルマガ最後までお読み頂きありがとうございます。
今岡善次郎
■ブログ「今岡善次郎のサプライチェーンマネジメント」
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東京農工大大学院客員教授
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部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。
