『カラオケ・壊れたエレベーター・ドラッカー』 - 今岡善次郎のマネジメント・メルマガ|人と幸せにするマネジメント革命|P.F・ドラッカーに学ぶ人生・起業・社会設計のすすめ|今岡善次郎のマネジメント・メルマガ

株式会社ビジダイントップページ>>人を幸せにするマネジメント改革

『カラオケ・壊れたエレベーター・ドラッカー』

2008年8月13日 01:01

人の内面を豊かにするマネジメント革命を説いたP・F・ドラッカー。
人生設計・企業設計・社会設計すべてに通じる共通する概念とは、
内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する場をつくるのが
マネジメントの目的であること。別名「愛」と言われるもの。



■日刊まぐまぐメールマガジン発行のお知らせ
「ドラッカーから学ぶ人を幸せにするマネジメント革命」

無料購読登録是非お願いします。

http://archive.mag2.com/0000269052/index.html
を発行しています。

日々の出来事からワン・ポイント・ドラッカーとして

人生・経営・社会に関わる問題を

ドラッカー流マネジメント視点で取り上げます。

3分で読める軽いタッチで語ります。

________________________第8回ここから


         『カラオケ・壊れたエレベーター・ドラッカー』

■こんにちは, 今岡善次郎です。

いつもメルマガお読み頂きありがとうございます。

今日は、ドラッカー流から見て「良い話・悪い話」を話しますね。

■8月6日、認知症家族会のメンバー有志で、
JR荻窪南口にあるカラオケボックスに行きました。

妻が入院している浴風会のケアスクール校長で
研修企画室長、服部安子先生主催の家族会のメンバーです。


■一ヶ月前7月9日に浴風会での7月度家族会
のあと2次会に数人集まってお茶を楽しんでいました。

私も病棟から妻を連れ出してケーキを食べさせていました。

認知症の夫を施設に入れるまでの長い長い自宅介護していた横谷さん。
少女時代から合唱団には所属、今も地域でコーラスの練習に励んでいる
そうです。

「私、この頃、カラオケにも行くのよ」と言いました。

「良いわね。このメンバーでカラオケ行く?」

「いいね、いいね」

と盛り上がったわけです。

さっそくその場で、私は手帳を取り出しました。
皆さんに都合を聞いて、横谷さん行きつけのカラオケボックス
と日時を決定しました。


日本全国10日に1回の割合で介護殺人が起るほど介護ストレス
は修羅場を作ります。


■介護家族は自分の幸せ・楽しみも考えて下さい。

これは服部先生が家族会で言っていただいた言葉です。
多かれ少なかれ認知症を介護する現場は修羅場に生きる。


以前のメルマガで紹介した医師、松本一生先生は、自分の臨床
経験から、認知症本人だけではなく、介護家族も自律神経に障害
を受けることを話されました。


虐待や心中事件を介護経験のある家族は他人事とは思えないと
皆が言います。



■壊れたエスカレーターを昇った経験ありますか?

殆どの人は転倒するか、違和感か不快感を感じるものです。

たぶん、自分の脳の中の自律神経が、エスカレータの動きを予測して、
自分の動きをコントロールのじゃないかと考えられますよね。

夫婦長年共に生活していると、相手の動きや考えを自律神経が
予測して、あまり考えない言動でも,アウンの呼吸で生活が
成り立っているようです。


一方が認知症になるとどうなるでしょう?


壊れたエスカレーターの昇るようように、「転倒」します。
生命を一体とした自律神経が壊れるのです。


それが虐待事件や心中事件になるのではないでしょうか?


■介護者は自分の自律神経を正常に保つには、介護者も
本人も、喜びや楽しみが必要です。

お互いに共通の修羅場を経験しているから介護者が集まると
お互いの人生に敬意と愛情を感じます。
人と人がコミニケーションしている実感があります。


■「コミュニケーションは情報を必要としない。
経験を共有することこそ、
完全なコミュニケーションがもたらされる」
とドラッカーは言っています。


■夫婦関係は最小単位の人間組織。

仕事の組織においても、言葉以上の経験の共有によって、
自律神経を通して、共通の目標に向かって、
成果を生むのではないでしょうか。


■組織は道具である

ドラッカーが組織をどのように見ているか紹介しますね。

ドラッカーのマネジメントは企業だけではありませんでしたね。

医療や介護の連携で患者や家族を客と見て、
顧客を満足させているすばらしい医師の話をしました。


長崎と広島に原爆が落とされて無数の命がなくなった終戦記念日が
近づいてきました。

国家、軍隊、政府、企業、当時の組織のマネジメント
は何か問題だったでしょうか?


■自己犠牲の正当化は社会を否定するのみならず社会を破壊する


ナチスで優秀な若者が社会のためという名目で死んでいくのをドラッカー
は心を痛めました。


日本でも特攻隊は、国家のための自己犠牲を強いました。


企業犯罪を隠蔽するために経営トップのナンバー2が自殺する。


企業戦士は企業の反映のために、過労死する。


「個人にとって危険に生きることも良い。
しかし社会は継続しなければならない。
 一人ひとりの人間の犠牲によって何かを達成できると考える
のであれば、そもそも社会に意味はなくなる」
(「経済人の終わり」P・F・ドラッカー)


■組織の栄光のために個人があるのではない。


■組織は目的ではなく手段である。

組織を守るために個人を犠牲にする。

組織自体を目的にするほど危険なことはない。


■組織の存在理由は外の世界への奉仕であり、存在する
ことではない。

外の世界への奉仕とは満足する客をつくることです。


■ある若年認知症家族会の話


政府系機関からの補助金で家族の困難、要望の
実態調査することになったそうです。

代表は張り切った。
自分達の活動は公けに期待されていると。


私のところにも調査票が送られてきました。


いろんな研究機関から何度も同じようでいて
本質から外れた質問項目が送られてきたことか。


介護で疲れ切っている家族が、入院させて余裕ができたとは言え
困難な状態にある家族会役員に調査活動させる。


■家族会のためと言う栄光のために、それぞれの家族が犠牲になる。


組織を国家に置き換えたとき、悲惨な歴史がありました。


受益者は福祉の仕事で成果を上げたい政府機関、家族会に
君臨して名誉を得たい家族会代表。


家族会のマネジメントにおいて顧客は誰か、
その問いからスタートすべきとドラッカーは言うでしょう。


■ポスト資本主義の時代に入った現在、
企業と言う組織の犠牲になるのは
やめましょうね。


自分の大切な命、人生を大切にしてくださいね。
喜びを与えてください。


満足する顧客ではなく、上司の顔色や会社の組織のため
という大義名分は通用しないと考えましょう。


■組織は目的ではなく道具から。


役に立たない、危険な道具は交換すべきです。

組織は専門家の連携で顧客満足を実現する道具ですよね。

専門家が細分化されて、顧客満足の目的が、薄れてきましたね。


■専門家とマネジメントの話に移ります。


先週の金曜日、8月8日客員教授として奉職している
東京農工大学大学院の教員2人と大学院生2人の4人で
新宿で食事して、ショットバーで語りあいました。

安部先生は東芝で技術者としてキャリアをスタートし、
家電事業部で工場長、事業部長を歴任し、
東芝経営改革運動の統括責任者としてGEのシックスシグマ運動
を指導された人です。

大学院生は加藤美治さんと安藤太郎さん。

安藤さんは来年春就職が決まっている修士2年生です.


加藤さんは、富士通で業務改革を担当する現役の部長です。

思うところがあって、社会人として技術経営の大学院に
通って自己啓発に熱心な会社員です。


■安部先生の興味深いお話を紹介しましょう。

東芝は、皆さんが知っているように、昔から優秀な技術者が
入社してくる一流企業ですよね。

それぞれ大学で専攻した専門家としての誇りを持って。

ある年、入社式で社長が、
「専門家としての誇りは今日から捨てて仕事中心に・・・」
と訓示があったそうです。

ほとんどの新人技術者は、がっかりし、むしろ、その社長に
反感を買うそうです。

■しかし何年かして自分で仕事を企画する立場になると、その
社長の言葉の意味が良くわかるようになる、と言うのです。

顧客を起点に考えると自分の専門は他の専門と連携無しでは、
仕事の成果が上げられないことが分るのでしょう。

安部先生は、東芝を退社後、子会社の東芝機器(株)の
社長を勤められたこともあり、専門家であり、かつ
マネジメントを経験され、専門家とマネジメント
について見識の深い人です。


■加藤さんは富士通で通信機器の開発を担当してきた技術者です。
最先端のハイテク業界は世界レベルで合従連衡が激しく、
加藤さんの事業はルーターで有名な米国シスコ社と提携する
ことになったのです。

技術者としての仕事から、社内だけではなく、
シスコ社を含む他分野の専門家の連携で顧客に
貢献するマネジメントが必要になったそうです。

各専門家が自主的に自由に連携して顧客に満足する
サービスを提供するマネジメントの仕組みを作りたいと
考えているそうです。


■以前メルマガで紹介した、新田医師と松本医師。
自分の専門を軸に、看護師、看護士、ケアマネージャー、
ヘルパー地域行政との連携で患者とその家族を顧客と考えて
その生活まで心を配る、すばらしい
マネジメント事例もありましたね。


■若年認知症は、元気があるという理由で、
自立とか、リハビリとか、理学療法士の専門家が
自分の専門で仕事をするケースがありました。

弁護士経験のある男性患者に公園の掃除をさせる。
「この仕事楽しい?」
強制的に言わせているようにしか見えませんでいた。

障害のある患者をリハビリすることで回復する病気ではありません。

顧客である患者とその家族の人生に思いをはせる、
人間の心理を理解して支援して欲しいものです。

そんなマネジメントが欲しい、と思いました。


■ドラッカーは言っています。

「専門家は自分の機能が外の世界で理解され、
貢献しないかぎり、自分を活かしたことにならない」

「専門分野を過度に重視して全体の貢献を疎かに
することを防がなければない」

マネジメントの仕事を設計するとき、一番重要なことは、
「顧客はだれか」「顧客は何に満足するか」
「やるべき仕事はなにか」を問うことです。

「自分の専門をどう活かすか」の視点で仕事をするのは
目的が内にあることになります。

ドラッカーはマネジメントの目的は外にある
ことを強調しています。


■「自分の専門以外とどう連携(コラボレーション)するか」
が重要でしたね。


■それぞれ経験も年齢も違う4人を会合を設定して、議論の場を
コーディネートしたのは若干23歳の修士2年生の安藤太郎さんでした。

マネジメントの片鱗を見せてくれました。

将来が楽しみです。





■「マーケティングとは顧客の創造である」と
ドラッカーは言いましたね。

ちょっと難しいとお考えですか?

簡単に考えましょう。


■満足する顧客をつくる、というのは、最終的には
人間に喜びや楽しみを与えること、
苦しみや悲しみをいやすことに他なりません。

実感がわかない?


はい、人間は様々な欲望を持って満足する対象は様々ですよね。


しかも産業社会は多くの専門知識による複雑な分業体制から
成り立ち、経済活動の連鎖でなりたっています。


人を喜ばせる人を喜ばせる、その人をまた喜ばせる、・・・
人が人を喜ばせる社会貢献の連鎖でなりたっているために、
最終的な顧客の喜ぶ顔が見えない。


■私の娘が銀行の総務人事部のOLをしています。

私のメルマガ読んで、

「お父さん、3人の石工の話に関して、会社では
CS(カスター・サテスファクション:顧客満足)
が盛んに言われているけど、自分の仕事に実感わかない」

と言いました。

銀行の顧客満足は顧客の金融財産を管理し、

送金や出金などの円滑に推進することによって

得られるならば、窓口でサービスする

銀行員、ATMなどの便利なシステムサービスを設計する

情報システム部門などはCSを認識しやすい。


■前面(フロントエンド)で顧客に貢献する社員に良い仕事を
してもらうために社員を顧客と考えて仕事をする。

と同時に銀行の社会的役割は全社員が認識して
いなければならないのじゃないか。

社内に社員という顧客がいて、彼等の貢献する客がいる。

などど家庭内会話で盛り上がりました。


■鉄を作っている会社の顧客は機械部品メーカーで、

機械部品メーカーの顧客は食品機械メーカーで、

食品機械メーカーの顧客は食品メーカーで、

食品メーカーの顧客はスーパーマーケットで

スーパーマーケットの顧客はレストランの経営者で、

レストランの顧客があなたです。

顧客の連鎖、喜びを与える連鎖が続いています。

顧客は延々と続いている。


■マーケティングとは満たされていない顧客を満足させること、

さらなる満足を先読みすること、

そのために何をしなければならないか、

何をつくらなければならないか、と決めることです。


■ドラッカーは言っています。

「マーケティングとは生産したモノを売るのではなく、
市場が必要とするモノを生産することである」と。

「社会の支持は、顧客満足の創造によってのみ可能である」

政府や役所の政策ではなく、顧客満足の創造によってのみ、
組織は存在価値がある。


認知症家族会の顧客は、
「困難にある患者とその家族」
として設立されました。

それがいつの間にか、
研究者になったり行政になっている。



また、来週次号で。


■ドラッカー流マネジメント求道家
今岡 善次郎

追伸:

姉妹マガジン
日刊まぐまぐメールマガジン発行のお知らせ
「ドラッカーから学ぶ人を幸せにするマネジメント革命」

無料購読登録是非お願いします。

http://archive.mag2.com/0000269052/index.html
を発行しています。

日々の出来事からワン・ポイント・ドラッカーとして

人生・経営・社会に関わる問題を

ドラッカー流マネジメント視点で取り上げます。

3分で読める軽いタッチで語ります。

■このメルマガに対するご意見・ご感想があれば、ご遠慮なくお寄せ下さい。

こんなことが知りたい、今こんなことで悩んでいる、
自分もこんなこと考えている、
自分もドラッカー流マネジメント求道家になりたい、
など、何でも結構です。

imaoka@bizdyn.jp
----------------------------------------------------------------
今岡善次郎 株式会社ビジダイン
http://www.bizdyn.jp/
ドラッカー学会 会員 
http://drucker-ws.org/
東京農工大大学院客員教授http://www.tuat.ac.jp/~rmmot/schedule/syllabus_2008/204_08_supply_chain.pdf

----------------------------------------------------------------
部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。

----------------------------------------------------------------

photo