P・F・ドラッカーがもっとも重視した人間の特質 - 今岡善次郎のマネジメント・メルマガ|人と幸せにするマネジメント革命|P.F・ドラッカーに学ぶ人生・起業・社会設計のすすめ|今岡善次郎のマネジメント・メルマガ

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P・F・ドラッカーがもっとも重視した人間の特質

2008年8月27日 16:49

人の内面を豊かにするマネジメント革命を説いたP・F・ドラッカー。
人生設計・企業設計・社会設計すべてに通じる共通する概念とは、
内ではなく外にある成果のために、人が人に貢献する場をつくるのが
マネジメントの目的であること。別名「愛」と言われるもの。



『ドラッカーのもっとも重視した人間の特質』


■こんにちは, 今岡善次郎です。

いつもメルマガお読み頂きありがとうございます。

8月も終わりに近くなって、北京オリンピックも終り、

急に涼しくなって、今年も夏はおわったようですね。

夏のおわりはなぜか寂しいですね。

さて今日は、
この一週間のまぐまぐ日刊メルマガの総括です。

●今週のテーマ
==================
1.卓越性
2.市民性
3.仕事
4.目標とビジョン
5.感動
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1.卓越性

2年前から新高円寺の馬橋会館で太極気功の会「胡蝶の会」
に入会して週一回練習しています。

アルツハイマーの妻を在宅介護している時に、少しでも症状の進行
を遅くできるかもしれないと、妻と共に始めました。

妻を入院させて半年間は中止していましたが、今年初めから
再開しました。

■介護のための気功でしたが、一人で参加してしばらくすると
人並みにうまくなりたいと考え始めました。

エアコンが効いているとはいえ、真夏の会館のフロアで
2~3時間、中国式音楽に合わせてゆっくりと手足を伸ばしたり
引いたりするとけっこう汗をかきます。

老若男女、と言っても平均年齢は65才以上でしょうか。


■先生は、故澤田画伯の未亡人で、元気はつらつの美人です。

年齢は聞いていませんが、おそらく胡蝶の会、会員の平均年齢
くらいでしょうか。

その先生が、会員に対して、今秋、この会始めて最初の
指導員資格取得試験に応募するように勧めました。

■気功の会は、一種の趣味や同好会ですが、皆が健康と
いきいきとした人生を送るのを目的とした組織です。

指導員資格は義務でもなければ、指導員になりたいと、
私を含めて誰も考えていませんが、みんなうまくなりたいと
思っています。

会員相互に、家族に、そして美人の先生に、認められたいと
老若男女の会員は思います。

そして私も挑戦しようと思っています。


■同好会ですらそうですから、社会的に貢献する企業や
役所や、病院や介護施設や、家族会や、どんな組織でも

その構成員は良い貢献をするため、又自己啓発を込めて、

いい仕事をしたいと考えるのは当然です。

■人間は、自分の得意とするところを持って、
間違いをしながらも、「卓越性」を発揮し、仲間に
認められたいという特質を持っています。

ドラッカーのマネジメントのダイナミックス(力学原理)
は人間の特質を基礎にしています。

これまでのメルマガで「自由」「自律」「真摯さ」
を述べした。

「卓越性を求める心」も人間の本質だとしています。

■ドラッカーの言葉
「優れた組織文化は人の卓越性を発揮させ、卓越性を
見出したらこれを認め、助け、他の人の仕事に貢献する
よう導く」

「真摯さ」とともに、人間尊重の響きのあるいい言葉ですね。


■20世紀の主流となる産業社会では、
「マネジメントは特権である権力であり指揮命令し、
働く人は指示されたとおりに分割された要素動作のみ行う」
というのが常識でした。

マネジメント以外は言われることをやるだけ。

出る杭は打たれる。

そう、ボスと手下の関係です。

■かって労働組合の論理では、組合員が仕事で「卓越性」
を発揮されたら団結にひびが入る。

人間の特質を殺して幸せになれるはずがありませんよね。

■ドラッカーは言っています。

「仕事は常に挑戦的でなければならず、平均的な標準化ほど
人的資源の本性に反することはない。人間の本性は最低でなく
最高の仕事ぶりを目標とすることを要求する」

トヨタ式経営の応用であるセル生産には、
標準時間と言う固定的目標ではなく、
人それぞれに卓越性を評価する
マイスター制度と言うのがあって成果を上げていますね。


■卓越性を追及することが人の内面を豊かに、人を幸せにする
、ということだと思いませんか?

組織内で卓越性を発揮したいのに、内部で遠慮する。

自分のためにだけではなく、人にために尽すことにおいて、
卓越性を発揮するのを躊躇する必要はありませんよね。





2.市民性


■先週気功の練習時に、腰の回転に力を入れすぎたせいで
椎間板に痛みを覚えて、整形外科医に行きました。

近くの渡辺整形外科医を訪ね、温熱療法と電気療法を受けました。


昨年の夏には、スポーツチャンバラでアキレス腱を切って
3ヶ月ギブスが離せませんでした。

還暦過ぎても、怪我をしても、何かに挑戦せずにはおれません。

渡辺外科医は言いました。

「男は妻がいないと、飲み歩くのが多いですよ。肝臓悪く
するより、足腰痛めて、整形外科医を訪れなさい。
その方が、元気があっていい。うちの経営にもいい(笑)」

と妙なほめ方をしました。


■妻の数年にわたる在宅介護から、入院にともなう、

私自身が負っていた負担からの解放は

私自身の社会的ネットワークの変更でもあります。

妻の介護前には地域社会との交際は、

多くのサラリーマンと同じように

妻を通してしかありませんでした。


■町内会会員として、

町内会長や町内会役員とも付き合いが始まりましたし、

その縁で近隣のカラオケスナックも常連客になりました。

病院の家族会、認知症患者家族会の会員でもあります。


しばらく仕事から離れていましたが、仕事再開すべき

準備始めていますし、仕事の絡みでいろんな人にも会っています。

大学の臨時教員の仕事もあります。


■人間は社会の中で一市民として、
多元社会の中でいろんな組織に入って生きています。


ドラッカーは言っています。
■「会社員であっても、一市民として
社会において位置づけと役割を持ち、自ら成長し、人を育成し
、正義の観念を持って、社会に貢献する存在である」

一人ひとりが市民であるとともに、組織人として所属している
組織も社会の中の市民(法人)でもあります。

日本人は多元社会の中で市民としての感覚が弱い。、

今日外科医の電気療法を受けている時、

同じ部屋で電気療法を受けている老婦人同志の

会話から再認識しました。

■「電車に乗っていると、私の姿を見てすぐ席を空けて
くれるのは大抵外人だよね」

「そうそう、私なんか、身体の弱い夫婦で電車のると
外人が若い日本人の肩を叩いて、席を譲りなさいよ、って
ジェスチャーで言ってくれたわ」

「日本人は自分のことばかりね。日本人の教育は欧米より
程度が低いのかねえ」

■市民として他の市民に貢献すること、

これが仕事でも、市民生活でも、家族でも

どんな人間関係でも基本ですよね。

■ドラッカーは市民としての人間の特質も、
マネジメントのダイナミックス(原理)に入れることを
主張しています。

私もドラッカーのマネジメント原理をまとめるにあたり、
人間の特質をすべてのマネジメントの基盤にして
行きたいと考えております。




3.仕事


先週の木曜日、若年認知症に多いピック病の、中村成信さんを、
神奈川県のJR相模線宮山駅近くに訪ねました。

私のメルマガを一生懸命読んでコメントをくれます。

若年認知症家族交流会で中村ご夫妻と私達夫婦が
居酒屋での交流会で初めてお会いして1年半位に
なります。

■中村さんは、この病気特有の、よくある症状である
スーパーで万引き事件を起して、
勤務していた茅ヶ崎市役所を解雇されました。

自分で事件のことを覚えていない。

奥様は、日常生活の異変も感ずいていて病気じゃないか
と思われて大学病院で精密検査をされて病気が判明しました。


■ところが、万引き事件を捜査した警察と警察が依頼した
医師は若年性認知症であるピック病について詳しくない。

一度診断した医師は専門家として、病気による免罪を
認めようとしない。

中村さん夫婦にとっては、病気が引き起こした事件で
懲戒免職になり、退職金ももらえなくなったことは、

発病したことのダメージの上に、さらに大きな
ショックを与えた。

■収入がなくなる上に退職金ももらえない。

現在、茅ヶ崎市役所へ、家族会顧問の宮永先生の意見陳述
とともに退職金支給を求めて申請中だそうですが、
市役所の方も別の医師を立てて審議中だそうです。

医学的にピック病が診断され障害年金の認可になっているのに
なぜ退職金支給審査に時間がかかっているのか。

行政と医療の専門家の連携において市民の立場になった迅速な

判断が欲しいところです。


■中村さんが話したある仕事についても専門家の解釈
で疑問を持ちました。

若年認知症家族会を支援してくださる医療専門家には
私も感謝しています。

しかし、仕事に関してこんなことがあったそうです。

■中村さんのような若年認知症でも初期のころはショックは
大きいが、慣れ親しんだパソコンは未だ充分使えるし、好きな
写真も撮れる。

何人かの男性若年認知症患者を家族会で定期的に集まり

残った機能を活用して作業することになったそうです。

中村さんは自宅でパソコンと写真の技術でカレンダーを試作して

家族会の集まりに持って行ったらとても評判が良かった。

■かっての職場や友人達からも注文が来た。

自分の得意とする分野で仕事を受注するなど人間として

最高の喜びですよね。

自分がデザインしたカレンダーをカッコいいと言って
欲しがる人がいる。

頑張って注文をこなす作業に打ち込んだ。


■ところが、家族会顧問の先生は、個人の仕事にしては
負担が大きいから、家族会として、
組織の仕事にしようとした。

中村さんにしてみれば、自分の得意なことで人が喜ぶ
ことをする自分の喜びを取られたような気になった。

若年認知症サポートを専門職として支援する目的は
行政に対する報告であたり論文であったりして
受益者が必ずしも、本人や家族ではない。


■中村さんのその時の悔しさ、落胆は聞いていても

私は悲しくもあり、中村さんの悔しさを共感して
何か怒りのような気持ちを持ちました。。

仕事は管理者のためにやるものではない。

自分が創ったもので人が喜ぶというのは

働くことの意義そのものですよね。

■ドラッカーの言葉、

「人は内面の豊かさによって仕事を生み出すことによって
のみ健全でありうる」

人間は仕事で健全な精神が保たれますよね。




4.目標とビジョン

■以前のメルマガで80歳のオペラ作曲家ヴェルデイの言葉

「いつも失敗してきた。だからもう一度挑戦する必要があった」

そして、ドラッカーの決意
「いつまでも諦めず目標とビジョンを持って自分の道を歩き続けよう。
失敗するに違いなくても完全を求めよう」

なんど聞いても心に響きますね。


■北京オリンピック、日本女子ソフトボール、アメリカに勝って
金メダルとりました。

上野投手、連投でよくやりました。

テレビ放送の中で、

須永 博士氏の詩が紹介されました。

「人に負けてもいい。しかし やるべきことをやらない
自分の心の弱さには、絶対負けたくない」

という内容でした。


■この詩も、オペラのヴェルデイも、そしてドラッカーも

人間の心を奮いたたせますね。

失敗や、負けは問題ではない。

目標やビジョンを持って前に進んだかどうかが問われる
わけですね。


■人間の特質からマネジメントの原理を説いたドラッカーも

こんなことを言っています。

「人は働きたがらないという考えは間違いであり、人は何かを、
しかもかなり多くの何かを成し遂げたがる。自らの得意なことに
おいて何かを」

「人間の特質からして、組織は人に対して組織の目標に
進んで貢献することを要求すべきである」

共通の目標と信条があれば、窒息状態に置かれた優秀な
人たちが適切な仕事を効果的に行うことができるし、
普通の人たちの視点を高め、卓越した人に変える」

■ピック病の中村さんの仕事が、
介護者サポートの管理者によって、個人から組織に
取り上げられた悔しさをお話しました。

このような管理者は人間の特質を基盤にしたマネジメントを
していないと言えますよね。

■マネジメントは経済的な目標だけではありませんね。

ソフトボールも、オペラも、人生も、企業も、医療や介護も、

行政も、人間を奮い立たせる目標とビジョンがあれば

苦しくても幸せになれますよね。


■格差社会といって政府や社会を批判しても、
誰も助けてくれませんよね。

目標やビジョンは、単に掲げるのではなく、

一人ひとりが心に持つんですね。

押し付けではなく、自由と自律の中で、チームの
信条として目標とビジョンが持てる組織はすばらしい。




5.感動

■ドラッカーの人間の特質を話しています。

ドラッカーが何よりも重視したのが真摯さでしたね。

メルマガ読者の皆さんもこの言葉に敏感に響かれた方が

多かったようです。


■保田さんがコメント送ってくれました。

>・・・バックナンバーを拝読させて頂き、その迫力に圧倒されまして
>早速配信を申し込み毎日熟読させて頂いております。

北京オリンピックで金メダル取った女子ソフトボールの
上野投手の言葉の引用の出典を調べて送ってくれました。

保田さんによる須永博士の詩を先程紹介しました。

保田さん、ありがとうございます。

>上野投手には私も本当に感動しました。
>上野投手の姿を見ながら以前のメルマガで
>触れられていました「真摯」という言葉を想い出しておりました。
>まさに「真摯」という言葉が当てはまる姿と思いますし、
>「真摯」に打ち込む姿こそが胸を打ち、
>人を感動させるとつくづく思いました。


■根岸さんも激励メルマガ送ってくれました。

>いつも心のこもったメルマガどうもありがとうございます!!
>生きる勇気のようなものを頂いています。

>とても読みごたえがある充実した内容で衝撃的かつ感動的です。
 
>真摯さのところを読んでいて「今岡さん、超かっこいい」
と思いました。

ありがとうございます。
空回りしないよう「真摯」に続けようと思います。


■そして、先程ご紹介した保田さんは「時間から」の言葉に
反応されました。

>、同じくらい衝撃的だったのは
>「成果を上げるものは時間から始める。
>仕事から始めるのではない」
>という言葉でした。

>潜在意識化され行動につながるのかと思いました。
>最近、私は伊丹敬之先生の「よき経営者の姿」に感銘を受けましたが
>感銘を受けたという記憶だけ、ドラッカーの本も何冊か家にありますが
>有ると言うことを覚えているだけ、これではダメだと思いました。

昨年までの私がそうでした。

潜在意識化するためのドラッカー思想のマップを
幾つかのキーワードで表現する教材を開発中です。

■なお
>「成果を上げるものは時間から始める。
>仕事から始めるのではない」
>の出典はドラッカーのどの本でしょうか

「経営者の条件」(P46)に載っています
第二章 汝の時間を知れ
の冒頭に出てきます。

上田惇生先生の翻訳も心に響く格調があって良いですね。

■>この言葉は「理屈」より「形」から入れ、実践せよ、
>と言っているのでしょうか。

おっしゃる通りですね。

前後の文章も入れておきます。

「通常、仕事についての助言は「計画せよ」から始まる。
もっともらしく思えるが、問題は
それでうまくいかないところにある。
計画は紙の上で消える。良き意図の表明で終る
実行されることは稀である」


■計画倒れという言葉がありますが、皆さん
心当たりがあって、辛らつなメッセージですね。

「成果を上げるものは仕事からスタートしない。
時間からスタートする。
計画からもスタートしない」

「計画は良き意図の表明」だって!

私などもコンサルタントとして提言書を書きますが、

金を貰って経営計画作成しても「良き意図」

を表明しただけですって(笑)

反省します。

仕事の仕方変えます。

関連した、もう一つのメッセージ紹介しましょう。

■「成果を上げる人は、能力、関心、知識、気性、正確、
仕事の方法、多様である。共通点は、ただ一つ。
行うべきことを行っていることである」
(経営者の条件)

成功している人を能力あるから、又は努力しているか、
と通常評価しますが、能力でも努力でもなく、
「時間割の中で行うべきことを行う」

当然と言えば当然ですが、ドキッとしますね。


ここまで
やや長い、
■週間メルマガ「★内面を豊かにするマネジメント革命★      
┃~P.F・ドラッカーに学ぶ人生・企業・社会設計のすゝめ~
第10回お読み頂きありがとうございます。

また、来週次号で。

ドラッカー流マネジメント求道家
今岡 善次郎

ドラッカー翻訳者の
上田惇生先生のホームページを紹介します。

http://www.iot.ac.jp/manu/ueda/
3分間ドラッカーや講演などを掲載しておられます。

またドラッカー好き、ドラッカリヤンというそうですが、
集まったドラッカー学会のホームページも情報たくさんです。

http://drucker-ws.org/


■このメルマガに対するご意見・ご感想があれば、ご遠慮なくお寄せ下さい。

imaoka@bizdyn.jp

こんなことが知りたい、今こんなことで悩んでいる、
自分もこんなこと考えている、
自分もドラッカー流マネジメント求道家になりたい、
など、何でも結構です。


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今岡善次郎 株式会社ビジダイン
http://www.bizdyn.jp/
ドラッカー学会 会員 
http://drucker-ws.org/
東京農工大大学院客員教授
http://www.tuat.ac.jp/~rmmot/schedule/syllabus_2008/204_08_supply_chain.pdf
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部分である人は人との関係でしか存在しない。仕事の場で人は組織
の関係でしか、存在しない。どんな専門も他の専門との連携でしか
仕事の成果を生まない。企業は社会との関係でしか存在しない。
科学的管理が説く、外部は単なる環境ではなく、
企業は社会の一部である。

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