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SCM成功の15の原理

1.顧客志向

成果は外にあります。顧客が欲しいものを、顧客が欲しいタイミングで、顧客が欲しい量だけ、顧客が欲しい所で、顧客が望む方法で提供する仕組みを作ることがSCMの動機づけのスタートです。自分の都合で生産したり、サービスを提供することではありません。

2.人間の本質

人は弧(個人)で存在しない。人との関係でしか存在しないし、一部の機能だけを発揮する機械ではなく、個性や感情を持ち、人のために役立ちたいと思う存在です。顧客は誰か、顧客に何をどのように何時提供することが顧客を喜ばせることになるか一人ひとりが自律的に仕事を仕組みが必要です。

3.行動規範

  製品やサービスには常に最高のモノを顧客が求める時に提供できるようにする。自立する自己と顧客に貢献するという人と人の関係が仕事であるというミッションを持つことが重要です。

4.目標

SCMの目標は材料や中間品、製品の在庫を最小にして機会損失のない運営を行うことで、物の流れを円滑にし、売上を増大し在庫を削減することです。売上と在庫をSCMの成果指標に目標を設定し、成果につながる施策の評価選定に役立てます。

5.全体

資材調達、生産、物流、販売の物の流れ全てに関わる効率であり、部門毎の効率やコストよりも全体の流れや在庫に焦点を当てます。短期的コストを犠牲にして在庫削減を優先することも必要となります。会計上のコストより資金(キャッシュ)を優先することが経営上健全です。例えば生産拠点を増やし生産能力を上げて年間稼働率が下がってコストが高くなることを気にするより、工場増設により夏場に備えて作り溜め在庫を過剰に持たないで運転資金を節約することの方が戦略的である場合もあります。工場増設資金と在庫増大資金を比較する必要があります。

6.知識

SCMに使える知識は生産や、ロジスティクス、兵站などの軍事活動において獲得された知識を積極的に使う必要があります。特に生産現場の在庫削減による流れ生産の原理を、売り場まで延長する手法の応用と言えます(日本でのトヨタ生産方式等)。

7.代替案

感や思い込みで計画を作るのではなく、現実の数字で実態を把握し、幾つかの複数案を作成して検討することが良い結果を生みます。「これしかない」は先入観に理屈をつけるだけです。

8.因果関係

過剰在庫や品不足になりやすい仕事の進め方、組織、製品や営業拠点、生産拠点などそれぞれ固有の原因がありますので、計数によって分析して因果関係を把握するが重要です。

9.現場

知識は重要だが成功原理は現場が違うと応用できない。それぞれの現場の現実を反映させなければなりません。現場を見て、現場で働いている人達にも問題意識を持ってもらうこと、意見を聞くことが重要です。

10.時間

全体目標のために成すべき仕事を時間軸で割り付けて個々の仕事の役割と位置付けを決めることが重要です。SCMの目標である売上増大と在庫削減のために生産と物流と販売の時間配分(スケジュール)が決め手になります。 

11.フィードバック

長期の需要予測になるべく頼らないで販売実績に合わせて、少しづつ何回も生産する(小口多頻度生産)をすることが在庫を下げて売上を上げる基本です。月次計画より週次計画、週次計画より日次計画を重要視し、フィードバックをしっかり利かせることが必要です。

12.多能工

人は機械のように与えられた単機能のみの仕事ではなく、熟練度や知識レベルを向上させ多能人材として仕事をする方が長期的には成果を上げます。資材調達、生産販売、物流、販売などそれぞれの組織毎の専門的効率のみではなく、部門を越えた仕事ができる多能力人材を養成することが重要です。

13.ロジスティクス

車を作るよりも必要な部品を必要な時に揃えることが重要であり、知的生産においては思考することより必要な情報を揃えることの方が重要です。生産や物流の個別の専門性よりもロジスティクスの組み立てが成果を上げます。

14.統合

細分化された専門工程で効率を上げることより、仕事に沿って複数工程を統合することで時間短縮されます。サプライチェーンにおいて連鎖する業務の数が少ないほど在庫となる拠点(ストックポイント)が少なくトータル在庫は減ります。

15.流れ

SCMは生産と販売、資材調達と生産、生産の工程間の速度を合わせて(同期化して)流れをつくることです。業務へのインプットとアウトプットの速度が揃っていること、すなわちシンクロナイズしていることはシステムが動的に平衡していることで流れが安定します。SCMの最終目的は動的平衡です。